METABOLISM
『METABOLISM』は、日本の実力派バンド、
SING LIKE TALKINGが2001年に発表した通算10作目となるオリジナル・
アルバムです。2001年9月26日に、彼らが長年所属したBMGファンハウスから世に送り出されました。その後、2015年2月11日には
アリオラジャパンより、高音質の
ブルースペックCD2規格で再リリースされています。
本作のリリースは、1997年に発表された前作『
Welcome To Another World』から約4年4ヶ月という、彼らのオリジナル作品としては比較的長い間隔を経てのことでした。この期間中、メンバー各自がソロでの音楽活動を積極的に行い、その成果を蓄積。また、過去の楽曲から厳選された2枚組のセレクション・
アルバム『
ROUND ABOUT』の発表など、バンドとしての歩みを止めない多様な活動を経て、『METABOLISM』の制作へと繋がりました。これらの経験が、本作のサウンドや楽曲に新たな広がりをもたらしていると考えられます。
アルバムには、先行
シングルとして発表された4曲を含め、合計16曲が収録されています。多彩な楽曲群で構成されており、バラエティに富んだ内容となっています。また、『METABOLISM』は、
SING LIKE TALKINGが1988年のデビュー以来、長きにわたり所属し数々の作品を発表してきたファンハウス(当時のBMGファンハウス)からリリースされた、オリジナル・
アルバムとしては最後の作品であるという歴史的な意味合いも持っています。
本作の大きな特徴の一つとして、リズムセクションに豪華なゲスト
ドラマーを迎えている点が挙げられます。参加しているのは、
LUNA SEAの真矢、かつて
BLANKEY JET CITYで活躍した中村達也、そしてLINDBERGの小柳“cherry”昌弘といった、日本のロックシーンを代表する個性的な
ドラマーたちです。彼らのパワフルかつテクニカルなドラミングが、
SING LIKE TALKING持ち前の洗練されたサウンドにダイナミズムと新たなテクスチャーを加えています。彼らそれぞれのドラムスタイルが、収録曲に多様な表情を与えていると言えるでしょう。
収録されている16曲のタイトル、そして作詞・作曲者は以下の通りです。
Premonition
作曲:藤田千章, 佐藤竹善, R.Dodd
The Law Of Contradiction
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
Jack Lemmon
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
Paradise
作詞・作曲:藤田千章
My True Colors
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
後に
シングル「悲しきHummingbird」のカップリング曲として収録。
魔力
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
後に
シングル「幻月〜A Tragedian〜」のカップリング曲として収録。
見知らぬ空の下で
作詞:藤田千章, 作曲:西村智彦
後に
シングル「One Day」のカップリング曲として収録。
Jigsaw
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
Hyper Overdrive〜不完全な個体〜
作詞・作曲:藤田千章
悲しきHummingbird
作詞・作曲:藤田千章
シングル「My True Colors」のカップリング曲として先行発表。
幻月〜A Tragedian〜
作詞:藤田千章, 作曲:西村智彦
シングル「魔力」のカップリング曲として先行発表。
What's Dying Away
作詞・作曲:佐藤竹善
情熱のGroovin
作詞:藤田千章, 作曲:西村智彦
One Day
作詞・作曲:佐藤竹善
シングル「見知らぬ空の下で」のカップリング曲として先行発表。
回想の詩
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
Only A Miracle
作詞・作曲:藤田千章, 佐藤竹善
『METABOLISM』は、長年の沈黙を破って発表されたファンハウスからの最後のオリジナル作品であり、豪華なゲストミュージシャンとの共演、そして多彩な16曲を収録した、
SING LIKE TALKINGのキャリアにおける重要なターニングポイントを示す
アルバムと言えるでしょう。彼らの円熟期における音楽性の深化と探求が感じられる作品です。