METAL WOLF CHAOS

METAL WOLF CHAOS（メタルウルフカオス）

『METAL WOLF CHAOS』は、2004年にフロム・ソフトウェアから発売されたXbox用アクションゲームです。2019年には、リマスター版である『METAL WOLF CHAOS XD』がPC(Steam)、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One向けにリリースされました。リマスター版の移植開発はGeneral Arcadeが担当し、販売は日本ではフロム・ソフトウェア、海外ではDevolver Digitalが行いました。

概要

本作は、アメリカ合衆国大統領が専用の特殊機動重装甲「メタルウルフ」を身にまとい、クーデターによってアメリカ全土を制圧した副大統領率いるクーデター軍に立ち向かうという、破天荒なストーリーが展開されます。ゲームシステムは、フロム・ソフトウェアの『O・TO・GI 〜御伽〜』の3Dエンジンをベースにしており、その特徴的なアクションが楽しめます。

『アーマード・コアシリーズ』とは異なり、本作の主人公は個性的な台詞回しが特徴で、ホワイトハウスの地下から大統領専用機が登場するなど、荒唐無稽な設定が満載です。この過激な設定が、ゲーム雑誌『ユーゲー』で「ナチュラルボーンバカゲー」と評され、同誌および『CONTINUE』で2004年度No.1ゲーム大賞を受賞しました。日本国外では諸事情により発売されていませんが、海外での知名度も高く、「投票したい政治家」のゲームキャラクター部門で1位を獲得するなど、熱狂的なファンが存在します。

作中の描写から、本作の舞台は2020年代前半と推測されます。また、同じフロム・ソフトウェアが開発した『NINJA BLADE』と世界観を共有している点も特徴です。

ダウンロードコンテンツにも対応しており、隠し武器やBGMのダウンロードが可能でした。

キャラクター

主人公とその周辺

マイケル・ウィルソン・Jr.
本作の主人公で、第47代アメリカ合衆国大統領。若くして大統領に就任しており、アメリカ軍時代に数々の紛争に参加した経歴を持ちます。テロで家族を失った経験から、テロに対する強い憎しみを抱いています。熱い心と高い知性を持ち合わせる一方で、猪突猛進な性格から無茶な行動に出ることもありますが、その「大統領魂」で不可能を可能にします。口癖は「Let's party!!」と「何故なら私は、アメリカ合衆国大統領だからだ！」であり、バースト攻撃時には「How do you like me now!!」と叫びます。父親もアメリカ合衆国大統領であり、『NINJA BLADE』に登場するマイケル・ウィルソンです。海外のゲームサイトの投票で「投票したいゲームの政治家」1位を獲得しています。

ジョディ・クロフォード
大統領補佐官兼メタルウルフのオペレーター。ペンシルバニア大学政治学部を首席で卒業したエリートです。ユーモアと皮肉に富んだ発言が多く、本作の魅力の一つとなっています。作戦立案も担当し、独特なネーミングセンスが光る作戦名を考案します。

ピーター・マクドナルド
アメリカのニュース専門局DNNのニュース記者。リチャード率いるクーデター政府の広報担当として、メタルウルフを批判する報道を行いますが、マイケルが形勢を盛り返すと手のひらを返したように彼寄りの報道を始めます。

ジョン・スミス
元「伝説的傭兵」で、クーデター発生後は大統領側のレジスタンスリーダーとして活躍します。大統領に戦闘の鉄則をアドバイスするなど、頼れる存在です。

リチャードとクーデター軍関係者

リチャード・ホーク
アメリカ合衆国副大統領であり、今回のクーデターの首謀者。「ラストアメリカンヒーロー」を自称します。大統領であるマイケルとは大学時代からの戦友でしたが、常に劣等感を抱いており、選民主義的な思想を持っています。クーデター後には都市に毒ガスを撒くなど、徹底的な悪役として描かれています。

スコッティ・ヒル
リチャードに心酔するアメリカ空軍中佐。選民主義には興味がなく、リチャードに認められることだけを求めて戦います。

シャキール・ネヴィル、ランディ・ランパード、ポール・ペイトン
マイケルの軍人時代の部下。それぞれがマイケルに対する異なる感情を抱きながらも、リチャードの側について戦います。

ロバート・フォレスター
マイケルの軍人時代の上官で、大西洋艦隊巡洋艦の艦長。軍への忠義を最優先に考え、マイケルの潔白を知りつつも、リチャードの命令に従い戦います。

ユニット

本作に登場する人型兵器は「特殊機動重装甲」と呼ばれ、約5mと比較的コンパクトなサイズです。兵器としてのリアリティは低いものの、高い機動性と耐久性を兼ね備えています。

メタルウルフ
プレジデントフォースが大統領専用に改造した最新鋭の特殊機動重装甲。両手武器と片手武器を多数搭載可能で、高い機動力を誇ります。宇宙での運用や大気圏突入も可能ですが、水中では稼働できません。超巨大戦車を持ち上げて投げ飛ばすなど、驚異的なパワーを発揮します。

MA リチャードモデル
リチャードが専用に改造した特殊機動重装甲。胸部にレールガンを搭載し、攻撃力が重視されています。

MA シャキール・ランディ・ポールモデル
シャキール、ランディ、ポールが使用する特殊機動重装甲。旧式のため武器搭載コンテナは無く、代わりにミサイルコンテナを搭載しています。両腕にガトリングガンを装備しています。

システム

操作仕様

地上を脚部走行やジャンプで移動し、ブーストゲージを消費してダッシュやホバリングを行います。攻撃は自動で照準が合い、バーストゲージを消費して強力なバースト攻撃を繰り出します。

装備枠の仕様

機体はメタルウルフに固定されており、武器のみアセンブルが可能です。背部のコンテナに武器を自由に配置できますが、両手武器は左右のコンテナ容量を同時に使用します。

武器開発・強化

インターミッション中にガレージで資金を投資することで、武器の種類を開発できます。開発を進めることで強力な武器を製造可能になります。ステージ中には隠された武器も存在します。

武器の種類などの仕様

ハンドガン、マシンガンなどの小火器から、グレネードランチャー、レールガンなどの重火器まで、多種多様な武器が登場します。実在する火器をモデルにしたものや、パーティクラッカーを銃器化したショットガン、サメ型ミサイルなどユニークな武器も存在します。EN属性の武器は、弾薬とブーストゲージを同時に消耗します。

メタルウルフのステータス

各ステージに隠されたエネルギーポッドを回収することで、メタルウルフの性能を強化できます。耐久力は、シールドメモリとシールドゲージで構成されており、シールドメモリはアイテムで回復します。

捕虜救出

ステージ中に捕虜が収監された檻があり、軽火器で壊すことで救出できます。救出した捕虜の種類によって特典が得られます。

開発

マイクロソフトはXboxの日本での販売促進のため、フロム・ソフトウェアと共同でメカアクションゲームの開発を決定しました。アメリカをテーマにした作品を作りたいというマイクロソフトの意向と、フロム・ソフトウェアの『O・TO・GI 〜御伽〜』の技術を融合させ、近未来のアメリカを舞台にした本作が誕生しました。

本作の開発には、日本に住む外国人の声優が起用され、その個性的な演技が採用されました。また、メタルウルフカオスというタイトルは、マイクロソフトのスタッフから提案されたものです。開発期間は約8ヶ月で、2004年12月22日に日本で発売されました。

当初、海外での販売も視野に入れていましたが、アメリカ同時多発テロ事件の影響などから中止となりました。リマスター版開発に参加した架け橋ゲームズのザック・ハントリーは、Xboxの製造終了時期が近づいていたことも中止の要因ではないかと推測しています。

リマスター

本作は日本国内でのみ発売されたにも関わらず、カルト的な人気を誇り、海外からのリマスターを求める声も多くありました。2016年、Devolver DigitalがTwitterでリマスター版の開発を提案したことがきっかけで、フロム・ソフトウェアとの間でリマスター版の制作が決定しました。General Arcadeが移植を担当し、架け橋ゲームズも移植作業に協力しました。

『METAL WOLF CHAOS XD』では、ワイドスクリーン対応やテクスチャ、エフェクトの改善などが行われましたが、声優はオリジナル版から変更されませんでした。2019年にMicrosoft Windows、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One向けに全世界で発売されました。

脚注

注釈

出典

外部リンク

METAL WOLF CHAOS公式サイト
METAL WOLF CHAOS XD公式サイト

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