MGMレコード

MGMレコードの概要

MGMレコード（MGM Records）は、1946年に映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）によって設立された音楽レーベルです。当初は映画のミュージカル作品のサウンドトラックをリリースすることを主な目的としていましたが、その後、ポップ音楽なども手掛けるレコード会社へと発展しました。1970年代までに、多岐にわたるジャンルの音楽作品をリリースし、音楽シーンにおいて重要な役割を果たしました。

歴史とサウンドトラック

MGMレコードの最初のサウンドトラックは、1946年のミュージカル『雲流るるままに（Till the Clouds Roll By）』に基づいたもので、実写映画としては初のサウンドトラックアルバムとなりました。このアルバムは、当時の技術的制約から、10インチの78回転盤の四枚組として発売され、映画内の楽曲を編集しながら収録されたものでした。特に、その音質は編集過程により制限がありましたが、そこからサウンドトラックという言葉の使用が拡大し、さまざまな録音に適用されることとなりました。

代表的なサウンドトラックには『グッド・ニュース（1947年）』や『雨に唄えば（1952年）』などがあり、1956年には映画『オズの魔法使』のサウンドトラックアルバムもリリースされました。また、1950年代に磁気テープ技術が登場し、音質が大きく向上しました。

ミュージカル以外の音楽

MGMはミュージカルの他にも、幅広いジャンルの映画音楽もリリースしました。『ベン・ハー（1959年）』や『西部開拓史（1962年）』など、オリジナルのオーケストラに基づいた音楽が収録され、その品質の向上が見られました。また、1990年代には、過去のサウンドトラックを再リリースし、関する権利がターナー・エンタテインメントによって管理されました。

ポップ・レーベルとしての展開

1950年代初頭には、MGMレコードはアメリカの主要なレコード会社の一つとされ、カブ・レコードやヴァーヴ・レコードなど多くの傘下レーベルを展開しました。この中では、ビートルズの人気を背景に多くのシングルをリリースするなど、大衆音楽の普及に寄与しました。

また、カントリー音楽においても重要なアーティストを擁し、ハンク・ウィリアムズを中心とした多くのカントリーアーティストを輩出しました。

クラシック音楽とMGMの動向

1951年からはクラシック音楽の録音も手掛け、ドイツ・グラモフォンとの提携により、質の高いクラシック音楽の録音が流通されるようになりました。1972年にはポリグラムに売却され、その後も一部の成績を残し続けましたが、1982年には最終的にポリグラムに吸収されました。

その後、1997年に再び商標がMGMに取り戻され、現在はそれまでの権利が複数のレコード会社に分かれた状態で管理されています。MGMは1986年に「MGMミュージック」を設立し、自社の音楽関係権利の管理を始めました。

まとめ

MGMレコードは、映画音楽からポップ、カントリー、クラシックまで幅広いジャンルに対応し、多くのアーティストと名作を世に送り出しました。多岐にわたる音楽ジャンルの提供や革新的な録音技術の導入は、音楽シーンにおいて重要な足跡を残しています。

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