MMJ (雑誌)

MMJとは

『MMJ』（エムエムジェイ）は、日本の医療分野を扱う総合的な専門誌です。その正式名称は『The Mainichi Medical Journal』であり、頭文字を取って『MMJ』と呼ばれています。毎日新聞社によって2005年に産声を上げた本誌は、年4回、3月、6月、9月、12月の15日に発行されています。

歴史と発行形態の変遷

『MMJ』の源流は、毎日新聞社が1980年に手がけた『JAMA（米国医師会雑誌）日本語版』に遡り、その豊富な歴史と伝統を受け継いでいます。創刊当初は月刊誌として刊行されていましたが、医療情報の多様化や読者のニーズの変化に対応するため、2010年6月以降は年4回発行の季刊誌へと移行しました。

また、本誌の発行元も時代の変遷と共に変化しています。創刊から2015年までは毎日新聞社が発行を担っていましたが、2015年からは毎日新聞社の出版部門が独立して設立された毎日新聞出版から刊行されています。

内容の核：世界と日本の最前線をつなぐ

『MMJ』の最大の特色であり、他の医学雑誌とは一線を画す点は、世界を代表する最高峰の五大医学雑誌――すなわち、『JAMA（米国医師会雑誌）』、『BMJ（英国医師会雑誌）』、『Lancet』、『New England Journal of Medicine』、『Annals of Internal Medicine』――の中から、特に重要かつ注目すべき最新の論文や、医療界で議論を呼んでいる話題を厳選して紹介していることです。しかし、単に海外の情報を翻訳・紹介するだけではありません。本誌のもう一つの重要な柱は、これらの海外のトップジャーナルで発表された内容について、日本の医学医療界を牽引する第一人者たちが独自の視点から詳細な解説や深い論評を加えていることです。

これにより、読者は世界最先端の知見を日本語で理解できるだけでなく、それが日本の医療現場や研究においてどのような意味を持つのか、実践的な示唆を得ることができます。これは、日々進化する医療情報の中で、真に価値ある情報を見極め、自身の臨床や研究に活かしたいと考える日本の医療従事者にとって、極めて有益な機会を提供しています。

信頼を支える編集体制

『MMJ』の質の高い内容を維持するために、掲載される論文や記事の選定は、厳格な基準のもとで行われています。この選定作業を担当するのは、門脇考氏（虎ノ門病院院長）を委員長とするMMJ編集委員会です。委員会のメンバーは、各専門分野の第一人者として知られる以下の先生方で構成されています。

編集委員長：門脇 考（虎ノ門病院院長／専門：糖尿病学・代謝学）
編集委員：
佐々木 淳一（慶應義塾大学教授／専門：救急医学）
土屋 了介（公益財団法人ときわ会顧問／専門：胸部外科学）
豊岡 照彦（東京大学名誉教授／専門：循環器内科学・分子生物学）
西山 和利（北里大学医学部主任教授／専門：脳神経内科学）
松尾 宣武（国立成育医療研究センター名誉総長／専門：小児科学）

さらに、編集委員会体制は、その信頼性を高めるために、日本医師会の重鎮を最高顧問や顧問に迎えています。

最高顧問：中川 俊男（日本医師会会長／専門：脳神経外科学）
顧問：
松原 謙二（日本医師会副会長／専門：内科学）
* 羽鳥 裕（日本医師会常任理事／専門：循環器内科科学）

また、本誌の編集実務を取り仕切る編集長は、2010年10月より高野聡氏が務めています。このような盤石な編集体制が、『MMJ』が提供する情報の正確性と権威性を保証しています。

独自の流通経路と広範な読者層

『MMJ』は、一般的な書店では販売されていません。これは、より確実に、そして効率的に専門家である読者に情報を届けるため、読者へと直接配送する独自の流通方式を採用しているからです。一号あたりの発行部数は50000部に上り、この数字からも本誌が多くの医療関係者に読まれていることが伺えます。

主な読者層は、日々の診療にあたる開業医や勤務医をはじめ、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師など多岐にわたる医療従事者です。加えて、医薬品や医療機器の開発に関わる製薬企業の関係者、そして未来の医療を担う医学、薬学、看護系の学生など、幅広い専門家や次世代を担う人々を対象としており、それぞれの立場から最新の医学情報を求めています。

『MMJ』に関する詳細情報は、毎日新聞社のウェブサイトでも確認することができます。

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