MORE DESIRE

角松敏生初のライブアルバム『MORE DESIRE〜TOSHIKI KADOMATSU SPECIAL LIVE '89.8.26』：1989年夏の熱気と音楽の融合

1989年12月6日、角松敏生初のライブアルバム『MORE DESIRE〜TOSHIKI KADOMATSU SPECIAL LIVE '89.8.26』が発売されました。このアルバムは、1989年8月26日、日比谷野外音楽堂で開催された『オーン・レーベル祭り』でのスペシャルライブの模様を収録したものです。

単なるライブ音源集ではなく、角松敏生が厳選した豪華ミュージシャンたちとの共演によって生み出された、唯一無二の音楽体験を凝縮した作品と言えるでしょう。

豪華メンバーとの競演と選曲の妙

参加ミュージシャンは、ギターに鈴木茂、ドラムスに村上秀一（PONTA）、ベースに青木智仁、キーボードに小林信吾、パーカッションに斉藤ノブなど、日本の音楽シーンを代表する実力派ミュージシャンが名を連ねています。

選曲も聴きどころです。角松敏生のオリジナル曲「DESIRE」に加え、鈴木茂、佐藤博、小坂忠といったアーティストの名曲をカバー。それぞれのアーティストの個性と角松敏生の音楽性が融合した、新たな解釈による名演の数々が収録されています。特に、鈴木茂作曲の「花いちもんめ」「レイニー・スティション」「八月の匂い」、佐藤博作曲の「山手ホテル」、そして小坂忠作曲の「機関車」といったカバー曲は、角松敏生独特のセンスによって独特の味わいを醸し出しています。

さらに、アルバムには「DESIRE」のスタジオバージョンも収録。ライブバージョンと比較することで、角松敏生の楽曲表現の幅広さを感じ取ることができます。

アルバムの魅力を高めるブックレット

『MORE DESIRE』の魅力は、音楽だけにとどまりません。アルバムには、角松敏生自身によるライナーノーツ「あの晩限りの歌をまた歌いたくなってしまった理由（わけ）」が収録されています。この文章では、ライブ当日の様子や楽曲への想いが綴られており、音楽をより深く理解する上で貴重な資料となっています。

また、「MORE DESIREへの系譜」と題されたファミリー・ツリーも掲載。制作に関わったミュージシャンたちの関係性やアルバム制作における流れを視覚的に理解することができます。これらのブックレットは、単なる補足資料ではなく、アルバム全体の価値を高める重要な要素となっています。

まとめ：角松敏生の音楽性を凝縮した作品

『MORE DESIRE〜TOSHIKI KADOMATSU SPECIAL LIVE '89.8.26』は、角松敏生の音楽性を多角的に体感できる、極めて貴重なライブアルバムです。豪華なミュージシャンとの競演、選曲の妙、そして充実したブックレットと、多くの魅力が詰まった一枚となっています。角松敏生のファンはもちろん、日本のAOR/シティポップシーンに興味がある方にも強くおすすめしたい作品です。 このアルバムは、単なるライブ音源を超えた、角松敏生と仲間たちが織りなす音楽の物語を堪能できる、まさに「モア・ディザイア」な一枚と言えるでしょう。後にバラードベストアルバム『TEARS BALLAD』にてリテイクされた「DESIRE」も収録されており、楽曲の変化も楽しめます。

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