MOTHER マザー

映画『MOTHER マザー』の概要

2020年7月3日に公開された日本映画『MOTHER マザー』は、PG12指定の作品で、監督は大森立嗣が務め、長澤まさみが主演を果たしています。本作は、2014年の「少年による祖父母殺害事件」を題材とし、家族の深い闇を描いています。

あらすじ

物語は、三隅秋子というシングルマザーとその子供たちを中心に展開します。秋子は普通の家庭で育ちながらも、素行不良に陥り、若くして周平という息子を授かります。彼女は安定した職に就くことができず、様々な男性と関係を持ちつつ、周平を放置する生活を送っています。

秋子は、周平を使って詐欺まがいの行動をすることもあり、周平は母親に従順に従う引っ込み思案な子供として育ちます。その間、秋子は新たに異父妹の冬華をもうけます。彼女は、保護司の亜矢の助けで仮宿所に住むことになり、周平にはフリースクールが手配され、教育の機会を得ることとなります。

しかし、生活が向上するかに見えた矢先、遼という男が秋子の生活に入り込みます。遼は冬華の父親であり、彼の存在は次第に秋子の家庭を再び混乱に陥れます。遼は秋子に対して暴力を振るい、その影響で一家は夜逃げを余儀なくされ、放浪生活が始まります。

やがて、周平は小さな工場に勤め始め、家族と共に寮に住むことになりますが、秋子は働かず、賭け事に溺れていきます。続く劣悪な状況に追い詰められた秋子は、周平に祖父母を殺させて金を奪うという驚くべき指示を出します。そして、周平は念を押されて出かけ、実際に祖父母を刺し殺すことになります。

その事件の後、母子は逮捕され、秋子は自らの関与を否定します。結果、周平は懲役12年の判決を受け、一方で秋子は執行猶予で釈放されます。周平の言葉が亜矢によって秋子に伝えられる場面では、母への愛と苦しみが交錯します。

キャストとスタッフ

映画には、長澤まさみが三隅秋子役を演じ、奥平大兼が周平役、阿部サダヲが遼役、夏帆が亜矢役と、多彩なキャストが集結しています。監督の大森立嗣は、脚本も担当し、この物語に深いメッセージを吹き込んでいます。

評価と受賞歴

『MOTHER マザー』は、映画評論家や視聴者から高く評価されています。特に、家族や人間存在に対する静かな洞察が称賛され、満点評価を受けた作品もあります。さらに、第75回毎日映画コンクールでは日本映画大賞を受賞し、秋子役の長澤まさみは日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しました。

結論

本作は、家族愛の奥深さとその裏側に存在する問題を見つめ直すきっかけを提供する映画です。熾烈な状況に生きる人々の苦悩や挑戦を通して、一人一人の人生がいかに重いかを体感させてくれます。映画『MOTHER マザー』は、観る者に強い印象を残すことでしょう。

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