MP18

MP18：ドイツの短機関銃の先駆け

MP18（Maschinenpistole 18）は、第一次世界大戦の末期にドイツ帝国において開発された短機関銃である。この兵器は1918年3月にドイツ軍が行った春季大攻勢のために設計された。また、MP18の設計は第二次世界大戦中に登場した多くの短機関銃に影響を与えたことから、短機関銃の祖形とも言われている。

開発の背景

第一次世界大戦では、塹壕陣地が発生し、それに対抗するために機関銃などが使われた。従来の歩兵戦術はこの新しい戦闘環境において効果を発揮できず、多くの国々は新たな兵器の開発に奔走した。特に、機関銃による防衛は歩兵にとって脅威であり、従来の戦術では膨大な犠牲を強いられることになった。そのため、装備の見直しとともに、機関銃陣地を制圧できる新しい軽量な兵器が求められた。

1915年時点で、ドイツ陸軍は浸透戦術を採用し、突撃隊を編成。戦闘の迅速化に向けた新しい軽量火器の必要性が叫ばれ、MP18の開発が始まった。軽量でフルオート射撃が可能な真新しい火器の要件が策定され、1918年にはMP18と名付けられた。

開発の経緯

初期には、長銃身型P08拳銃にフルオート射撃機能を追加する案が考えられたが、発射速度が速すぎるとの理由で見送られた。1916年、ヒューゴ・シュマイザーとアンドレアス・ヴィルヘルム・シュヴァルツローズがそれぞれ提案した設計案の中で、シュマイザーの案がベルグマン社の支援を受けて改良され、MP18が正式に承認された。

MP18の特徴として、木製の銃床、放熱筒に覆われた銃身、シンプル・ブローバック方式の作動が挙げられ、オープンボルト方式でフルオート射撃のみの選択が可能だった。この設計は、短機関銃のコンセプトを具現化したものであり、発射速度は350〜450発/分と比較的低く、バースト射撃やセミオート射撃がしやすい設計だった。

実戦への配備

1918年3月21日、MP18を装備したドイツ軍の突撃兵が春季大攻勢を展開。彼らは連合軍の塹壕線を突破し、わずか8日で65kmも前進した。この作戦は、MP18の性能の高さを証明するものであった。しかし、戦局は続く連合軍の反撃によって苦境に立たされ、最終的にドイツ帝国は戦争に敗北。MP18の供給は難航したものの、戦時下においての実戦投入を果たした。

戦後の動向

第一次世界大戦後、ドイツはヴェルサイユ条約により製造制限を受けた。しかしMP18は、警察組織などでの密かに配備が続顧られた。さらに、スイスのSIG社とのライセンス契約による新型の製造が行われ、改良を重ねたモデルも登場した。

MP18の設計は、後の短機関銃に多くの影響を与え、その後の軍事的潮流において重要な役割を果たした。特に日本では、この武器が国産短機関銃の開発に多大な影響を及ぼし、多くの国での運用も見られた。

結論

MP18は、第一次世界大戦の戦局に直接影響を及ぼした武器であり、その革新的なデザインは後の短機関銃に多大な影響を与えた。戦術の流れを一変させる力を持っていたMP18は、短機関銃の歴史における重要な足跡を残した工具であった。

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