MSCI

MSCI Inc.

MSCI Inc.（エムエスシーアイ）は、アメリカのニューヨークに本社を置く金融サービス企業で、主に株価指数の算出やポートフォリオ分析など、様々な金融関連サービスを提供しています。ニューヨーク証券取引所にも上場しており、株式投資のベンチマークとして国際的に広く利用されています。

沿革

MSCIの起源は1965年に遡ります。当時、ロサンゼルスに本社を置く資産運用会社であるCapital Research and Management Companyの完全子会社であるキャピタル・インターナショナル社が、スイスの支社協力のもとで「Capital International Market Indices」という名称でアメリカ国外の市場を対象とする株価指数の算出をスタートしました。

1985年に、ジュネーヴの支社は独立した法人として「Capital International Perspective S.A.」に改名され、その後1986年にはモルガン・スタンレーがこの会社から株価指数の算出権を取得し、「MSCI」へと名称を変更しました。

1998年には、モルガン・スタンレーとキャピタル・グループが共同で株主となり、「Morgan Stanley Capital International, Inc.」を設立しました。2004年に同社はBarra, Inc.を買収し「MSCI Barra」となりましたが、2007年にはモルガン・スタンレーが持株を売却し、MSCI, Inc.として独立することが決定されました。2009年には、モルガン・スタンレーは全ての株式を手放し、現在の形となっています。

MSCIは、2010年にRiskMetrics Group, Inc.や、JPモルガン系列のMeasurisk、さらに2014年にはGMI Ratingsを買収し、事業の拡充を図りました。同社は世界中の経済拠点にオフィスを持ち、日本では東京に拠点を設立しています。

株価指数

MSCIが算出するインデックスは、世界各国の金融機関にライセンスが付与され、数多くのETF（上場投資信託）や投資信託が提供されています。特に、S&Pダウ・ジョーンズやFTSEと同様に、国際的な株式投資の基準として広く利用されています。これらのインデックスは年に四回、定期的にレビューされ、構成銘柄の入れ替えが行われます。

代表的な株価指数には、MSCIオールカントリーワールドインデックス（ACWI）、MSCIワールドインデックス、そして日本を除外した先進国銘柄で構成されるMSCIコクサイインデックス（KOKUSAI）があり、特にMSCIワールドインデックスには日本が含まれています。これらのインデックスは、市場で取引可能な時価総額を基にした浮動株調整後の時価総額加重平均を使用して算出されるため、日本を含む株式投資においてはその比率をコントロールすることが可能です。

2019年末時点での構成は次の通りです：

• - MSCI ACWI & Frontier Markets Index (77カ国)
• - MSCI All Country World Index (49カ国)
• - MSCI World Index (先進国23カ国)
• - MSCI Emerging Markets Index (新興国26カ国)
• - MSCI Frontier Markets Index (フロンティア市場28カ国)

過去の利回り

2019年末の各指数の過去10年、30年、50年の分配金を加えた利回りも発表されています。例えば、MSCI KOKUSAIの10年のネット利回りは年率9.75%という結果でした。また、為替レートに基づく円建ての年利も考慮することができます。

投資信託とETF

日本国内では、投資信託やETFが数多く存在し、証券会社や銀行を通じて購入することが可能です。特に東京証券取引所には多くのETFが上場しており、選択肢が豊富です。

まとめ

MSCIは、国際金融市場での重要な役割を果たす企業であり、広範な株価指数の提供と分析ツールを通じて、投資家に貴重な資源を提供しています。

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