MT-135ロケット

MT-135ロケットの概要

MT-135ロケットは、東京大学宇宙航空研究所（現在は宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所）により、気象庁のサポートを受けて開発された単段式の固体燃料ロケットです。このロケットは、1961年の世界気象機構（WMO）の勧告を受け、その後1963年から開発に取り掛かりました。最初のプロトタイプであるPT-135を経て、MT-135は1964年に初めて打ち上げられ、その後多くの派生型が生まれました。これまでに1,254機が打ち上げられるという実績があります。

開発の経緯

MT-135の開発は、関係機関の要求に基づいて、さまざまなバリエーションを持たせる形で進められました。初めて打ち上げられたのは1964年7月24日で、これ以降、宇宙科学研究所は2000年9月19日までに73機を打ち上げ、仲間の国アメリカとの共同試験でも成果を上げました。

バリエーションの詳細

PT-135

このロケットはMT-135のプロトタイプであり、1964年3月27日に打ち上げられました。観測機器を搭載しなかったため、ロケットゾンデが不要でした。

MT-135

本ロケットは最初の量産モデルであり、65機が打ち上げられました。1機の価格は1971年時点で約2,000万円とされ、全長3,200mm、直径135mmで、到達高度は50kmでした。最大2.5kgのペイロードを搭載可能でした。

IT-135

発煙装置を装備したこのモデルは、1966年に試験的に1機が打ち上げられました。全長は3,279mmで、到達高度は45kmです。

DT-135

風による飛行経路の推定および修正試験用に使用され、1966年9月21日に打ち上げられたモデルです。このロケットは3,240mmの全長を持ち、達成できる高度は56kmです。

MT-135P

モーターを落下傘で降下させる構造で開発されたこのロケットは、1969年から1970年にかけて5機が打ち上げられました。長さは3,300mm、到達高度は60kmに達しました。

MT-135A

MT-135Pの改良版であり、1984年に打ち上げられました。ポリブタジエン系の推薬を使用し、最高高度58kmに達する性能を持ちます。

MT-135JA

このモデルは南極大陸上空の中層大気を観測するために共同開発されたもので、耐低温特性に優れたポリブタジエン系推進剤を採用しています。1985年の南極観測隊で11機が打ち上げられました。

まとめ

MT-135ロケットは、気象観測のための多様なバリエーションを持ち、試験において数多くの成果を上げてきた日本の重要な観測用ロケットです。その歴史と技術は、宇宙科学研究所および気象庁との密接な協力によって築かれました。今後も宇宙開発や気象観測における役割が期待されます。

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