MY DEAR (平松愛理のアルバム)

平松愛理の3rdオリジナルアルバム『MY DEAR』は、1990年12月15日にポニーキャニオンからリリースされました。このアルバムは、彼女の音楽性の幅広さと、後の活躍を予感させる重要な作品として位置づけられています。

アルバムの帯コピーは「素敵な、素敵な女性が聴きまくる」というキャッチーなフレーズで、当時の彼女の人気ぶりをうかがわせます。収録曲には、シングルとしてリリースされた「月のランプ」や「素敵なルネッサンス」、そしてそのカップリング曲「君にしとけば良かったなんて」が含まれています。

「素敵なルネッサンス」は、CDジャケットには特に記載されていませんが、シングルバージョンよりも10秒早くフェードアウトする音源で収録されている点が特徴です。また、1992年に新録音でシングルカットされ、平松の代表曲の一つとなった「部屋とYシャツと私」のオリジナル音源が初めて収録されたアルバムでもあります。この曲は、後にリリースされるベストアルバムによって収録音源が異なる場合があり、本作の音源が使用されていることも多いです。

「部屋とYシャツと私」は、その歌詞の内容や3拍子のリズムが平松らしくないと周囲から反対意見があり、当初は収録が見送られる方向で進んでいました。しかし、平松自身がどうしても収録したいと強く希望したため、最終的にアルバムに収録されることになりました。このエピソードからも、彼女の音楽に対する強いこだわりがうかがえます。

アルバムには、山口由子に提供した楽曲のセルフカバーである「エレベーター アクシデント」も収録されています。また、「悲しくて 悲しすぎて」は、翌年にシングル「虹がきらい」のカップリング曲としてシングルカットされました。

サウンドプロデューサーの清水信之とのタッグは、今作に収録されているシングル「月のランプ」から始まりました。清水信之は後に平松の夫となります。「悲しくて 悲しすぎて」と「ファーストクリスマス イヴ」は萩田光雄が編曲を手掛けており、「MY HONEY」は平松自身がアカペラでコーラスアレンジを担当しています。様々なアレンジャーとのコラボレーションもこのアルバムの魅力の一つと言えるでしょう。

『MY DEAR』は、平松愛理の音楽キャリアにおけるターニングポイントであり、彼女の才能が開花した重要な作品です。ぜひ一度、その魅力に触れてみてください。

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