MaXXXine マキシーン

タイ・ウェストが監督・脚本を手がけ、ミア・ゴスが主演および製作を兼任した2024年公開のアメリカ合衆国のホラー映画です。この作品は、同監督によるホラー映画『X エックス』（2022年）、そしてその前日譚となる『Pearl パール』（2022年）に続く三部作の最終章にあたり、『X エックス』で生き残った主人公マキシーン・ミンクス・ミラーの後日譚が描かれています。

物語は、『X エックス』で発生した凄惨な事件から6年後の1985年、ロサンゼルスを舞台に展開します。世間を騒がせる「ナイトストーカー」と呼ばれる連続殺人事件が発生する中、ハリウッドでの成功を夢見るマキシーンの姿が描かれます。かつてアダルトエンターテイナーとして活動していた彼女は、新作ホラー映画『ピューリタンII』の主演オーディションに合格し、念願の女優としてのキャリアをスタートさせようとしていました。この朗報を友人のレオンや同僚のアンバー・ジェームズに伝えたマキシーンは、アンバーから誘われたハリウッド・ヒルズでのパーティーを断ります。その夜、アダルト関連の副業に出かけたマキシーンは、革の衣装をまとった不審な人物からの強い視線を感じます。

別の場で出会ったアダルトエンターテイナーのタビー・マーティンもまた、同じパーティーにマキシーンを誘いますが、彼女は再び誘いを拒否します。帰宅途中、マキシーンは奇妙な人物に尾行され、路地裏でナイフを突きつけられて追い詰められます。しかし、マキシーンは相手に銃を突きつけ、自身の過去の経験を駆使して相手を制圧し、屈辱的な行為を与えて立ち去ります。

間もなく、革の衣装の人物によって、6年前にマキシーンと友人たちが制作しようとしていたアダルトビデオのVHSテープが警察の証拠品として残されていきます。これを見たマキシーンは混乱し、その出所をレオンに問いかけます。一方、アンバーとタビーはハリウッド・ヒルズのパーティーで殺害され、その遺体には悪魔的なシンボルの烙印が押されていました。

謎の私立探偵ジョン・ラバットは、マキシーンに接触し、雇い主との面会に応じなければ彼女の過去の犯罪を公にすると脅迫します。彼はまた、特定の場所への出頭を強要します。警察のウィリアムズ刑事とトーレス刑事もマキシーンに接触し、アンバーとタビーの殺害について尋問しますが、彼女は多くを語りません。その後、自身を尾行するラバットに気づいたマキシーンは彼を襲撃し、警告を発します。

マキシーンはエージェントのテディ・ナイトに自身の秘密を打ち明け、彼は協力を申し出ます。ラバットの要求を無視し、マキシーンは映画の脚本の勉強に集中しようとします。しかし、友人のレオンがビデオ店で革の衣装の人物によって凄惨に殺害されます。『ピューリタンII』の撮影現場で、マキシーンは前作の主演女優モリー・ベネットと出会い、ハリウッド・ヒルズで発生した同様の事件について聞かされます。

ラバットはマキシーンに襲われたことに激怒し、ユニバーサル・スタジオの敷地内で彼女を追いかけますが、警備員に拘束されます。マキシーンはナイトと友人のシェパード・トゥレイの協力を得て、ラバットを罠にはめ、彼を車内に閉じ込めて廃品置き場で圧殺します。

ラバットが教えた住所へと向かったマキシーンは、ハリウッド・ヒルズの邸宅でバラバラにされたモリーの遺体を発見します。一連の殺人事件の犯人が、疎遠だった自身の父親であるテレビ伝道師兼カルト指導者のアーネスト・ミラー神父であり、彼の教会の原理主義的な信者たちが協力していたことを知ります。ミラー牧師は、ハリウッドの腐敗した本質を暴くため、殺人事件を撮影しスナッフフィルムを作成していたことを明かします。

マキシーンを「救える」と信じるミラー牧師は、信者たちにマキシーンを木に縛り付けさせ、悪魔祓いを行ってその様子を撮影しようとします。しかし、トーレス刑事とウィリアムズ刑事によって儀式は妨害され、銃撃戦となります。ミラーの仲間は殺害され、ミラー自身も負傷します。マキシーンが脱出する中、ミラーを追う刑事たちも致命傷を負います。ショットガンを手にしたマキシーンは、ハリウッドサインの下で父親と対峙します。警察のヘリコプターが介入しますが、マキシーンは父親を撃ち殺し、自らの決意を口にします。

事件後、マキシーンは父親の逃亡阻止に貢献したことで名声を得て、『ピューリタンII』のプレミア上映に出席し、自身の伝記映画の製作が決定するという未来を夢見ます。そして現実では、『ピューリタンII』の撮影を続けながら、成功が永続することを願うのでした。

主要キャストには、主演のミア・ゴスのほか、エリザベス・デビッキ、モーゼス・サムニー、ミシェル・モナハン、ボビー・カナヴェイル、ホールジー、リリー・コリンズ、ジャンカルロ・エスポジート、ケヴィン・ベーコンらが名を連ねています。

この作品は、スラッシャーホラーの要素と、名声への渇望、そして歪んだ信仰が交錯するサスペンスフルな物語を通じて、1980年代のハリウッドという舞台の光と闇を描き出しています。

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