Macintosh XL

Macintosh XLは、Appleがかつて販売したApple Lisaの改良型パソコンです。Apple Lisaは革新的なGUIを搭載していましたが、高価格が災いして商業的には成功しませんでした。そのLisaの教訓を活かし、より市場のニーズに合わせた製品として開発されたのがMacintoshです。Macintosh XLは、そのMacintoshの登場後、Lisaの改良版として位置づけられました。

ハードウェア

Macintosh XLは、オリジナルのLisaと同様の筐体デザインを維持しつつ、内部構造や搭載ソフトウェアに改良が加えられています。主なハードウェアの特徴としては、400K 3.5インチフロッピーディスクドライブを搭載し、内部には独自の10MBのWidgetハードディスクを備えていました。また、オプションとして5MBまたは10MBの外部ProFileハードドライブをパラレルインターフェースカードを通じて接続することも可能でした。これにより、当時のパソコンとしては比較的大きなストレージ容量を実現していました。

MacWorks Plus

Macintosh XLには、Macintosh 128KのエミュレータであるMacWorks XLが同梱されていました。これは、Lisaのハードウェア上でMacintoshのソフトウェアを動作させるためのものでした。その後、ユタ州ローガンのSun Remarketing社がMacWorks XLの後継としてMacWorks Plusを開発しました。MacWorks Plusは、AppleのMacintosh Plus（初代Macintoshの後継機種）との互換性があり、800K 3.5インチフロッピーディスクとClassic Mac OS 6.0.3までサポートされました。さらに、MacWorks Plus IIにおいては、MacOS 7.5.5まで対応しました。これにより、Macintosh XLの寿命は大幅に延び、より新しいソフトウェアを利用できるようになりました。

Sun Remarketingによる再販

1985年9月にAppleがMacintosh XLの販売を終了した後、Sun Remarketing社がAppleの在庫を大量に買い取りました。そして、Appleの許諾を得て、MacWorks Plusの更新と販売をMacintosh Professionalのブランドで行いました。これにより、Macintosh XLは中古市場で再び注目を集め、一部の熱心なユーザーによって利用され続けました。Sun Remarketing社の取り組みは、Macintosh XLの歴史において重要な役割を果たしています。

Lisa 2/10

Lisa OSのみを搭載するMacintosh XLと同型のマシンは、Lisa 2/10として販売されましたが、大量に売れ残りました。これは、Macintosh XLがMacWorks XLを搭載することでMacintoshのソフトウェアを実行できるのに対し、Lisa 2/10はLisa OSしか実行できず、ソフトウェアの選択肢が限られていたためと考えられます。

関連

Lisa (コンピュータ)
Macintosh 128K

外部リンク

Macintosh XL: Technical Specifications from Apple
MacXL information page mac512.com

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