『Me』(ミー)は、
1984年に
講談社が創刊し、
1994年に休刊した月刊の
女性向け
漫画雑誌です。少女
漫画と
ヤングレディースコミックの中間的な位置づけで、当時としては新しい読者層を開拓しました。
創刊と展開
1984年9月号として産声を上げた『Me』は、当初『YLコミック
ヤングレディMe』という誌名で、『
ヤングレディ』(
講談社)の増刊誌として登場しました。この形態で、主に読み切り作品を掲載し、様々な作家の作品を紹介する場となりました。
1994年に休刊となるまでの間、多くの読者に支持され、独自の存在感を示しました。
主な掲載作品
『Me』では、後の
漫画界を担うことになる作家たちの作品が数多く掲載されました。以下に代表的な作品を挙げます。
ふくふくふにゃ〜ん(こなみかなた):猫との生活をテーマにした、ほのぼのとした日常を描いた作品。
夏藤さんちは今日もお天気(わかつきめぐみ):家族の温かさを描いた作品。
危険な週末(文月今日子):少女の繊細な心情を描いた作品。
艶歌(汐見朝子):独特な世界観で読者を魅了した作品。
初体験はペパーミント(あまねかずみ):恋愛のドキドキ感を表現した作品。
あなたを待つ椅子(石井まゆみ):心理描写に優れた作品。
* くちびるから散弾銃 (
岡崎京子): Me Twinに掲載。時代の空気を反映した作品。
これらの作品は、『Me』の多様性と創造性を象徴しています。
『Me』が残したもの
『Me』は、10年という短い期間で休刊しましたが、少女
漫画と
ヤングレディースコミックの架け橋となるような作品を数多く掲載し、新たな才能を発掘するなど、
漫画史に確かな足跡を残しました。読み切り作品を中心とした構成は、気軽に様々な作品に触れる機会を提供し、読者の裾野を広げる役割を果たしました。休刊後も、掲載された作品群は、それぞれの作家の代表作として、あるいは時代を反映する作品として、読み継がれています。