Messaging Application Programming Interface
Messaging Application Programming Interface（MAPI）は、Microsoft WindowsのAPIを基盤とするメッセージングアーキテクチャであり、Component Object Model（COM）を利用しています。クライアントアプリケーションは、MAPIを介して特定のメッセージングサーバーにアクセスし、メッセージの送受信や管理などの機能を実現できます。特に、Microsoft OutlookがMicrosoft Exchange Serverと通信する際に使用する独自の通信プロトコルであるMAPI/RPCと密接な関係があります。
MAPIには、機能の範囲によってExtended MAPIとSimple MAPIの2種類があります。
Extended MAPI: 全ての機能を提供し、メッセージの生成・管理、メールボックスの管理など、高度な操作が可能です。主にMicrosoft OutlookやMicrosoft Exchange Serverの一部として利用されます。
Simple MAPI: Extended MAPIのサブセットであり、基本的なメッセージング機能を提供します。以前は、Outlook Express/Windows Mailの一部としてMicrosoft Windowsに組み込まれていました。
これらの他に、Common Messaging Calls (CMC) APIやオブジェクトベースのCDO Libraryインターフェースも利用可能です。これらはExtended MAPIに比べて扱いやすく簡便ですが、Simple MAPIとCMCはExchange 2003で廃止されました。
MAPIは、マイクロソフトによって設計されました。1987年にMS Mail開発チームが結成され、1991年にConsumers Software Incを買収し、同社のNetwork Courierを基にMS PC Mail（Microsoft Mail for PC Networking）として販売を開始しました。MS PC Mailの基本APIはMAPI version 0（MAPI0）と呼ばれていました。MAPIの機能は、X.400 XAPIA規格に準拠しています。
MAPIには、メール転送エージェント（MTA）やディレクトリサービスへのアクセス機能も含まれており、幅広いメッセージングサービスに対応できます。
Extended MAPIインターフェースは、Outlookなどのクライアントアプリケーションが様々なメッセージングサービスにアクセスする際に利用されます。例えば、Microsoft以外の電子メールサーバー製品でも、「MAPIサービスプロバイダ」として実装することで、Outlookからアクセスできるようになります。具体的には、Zimbra、HP OpenMail、IBM Lotus Notes、Zarafa、Bynariなどが挙げられます。
MAPI0にもサービスプロバイダインターフェースがあり、MicrosoftはこれをXENIXベースの電子メールシステムにMS Mailがアクセスするために利用していました。
Extended MAPIは、Outlookの主要なメールデータアクセス方法であり、Microsoft Exchange Serverへは、Outlookに同梱されているMAPIサービスプロバイダを通じてアクセスします。MAPI/RPCプロトコルの詳細は、近年公開されました。「MAPIプロトコル」は、MAPI/RPCの別名であり、Exchange RPCやOutlook-Exchange Transport Protocolとも呼ばれることがあります。
MSDN[ライブラリ]]のMessaging API: [https://msdn.microsoft.com/en-us/library/office/cc840048.aspx
OpenChangeプロジェクト: MAPIプロトコルの詳細や関連ツールが提供されています。
MAPIは、Microsoftのメッセージング技術の中核をなす重要なAPIであり、長年にわたり、様々なメールクライアントとサーバー間の連携を支えています。特に、OutlookとExchange Serverとの連携においては、MAPI/RPCプロトコルが重要な役割を果たしており、その詳細な理解は、システム開発や運用において不可欠です。
MAPIの種類
MAPIには、機能の範囲によってExtended MAPIとSimple MAPIの2種類があります。
Extended MAPI: 全ての機能を提供し、メッセージの生成・管理、メールボックスの管理など、高度な操作が可能です。主にMicrosoft OutlookやMicrosoft Exchange Serverの一部として利用されます。
Simple MAPI: Extended MAPIのサブセットであり、基本的なメッセージング機能を提供します。以前は、Outlook Express/Windows Mailの一部としてMicrosoft Windowsに組み込まれていました。
これらの他に、Common Messaging Calls (CMC) APIやオブジェクトベースのCDO Libraryインターフェースも利用可能です。これらはExtended MAPIに比べて扱いやすく簡便ですが、Simple MAPIとCMCはExchange 2003で廃止されました。
MAPIの歴史
MAPIは、マイクロソフトによって設計されました。1987年にMS Mail開発チームが結成され、1991年にConsumers Software Incを買収し、同社のNetwork Courierを基にMS PC Mail（Microsoft Mail for PC Networking）として販売を開始しました。MS PC Mailの基本APIはMAPI version 0（MAPI0）と呼ばれていました。MAPIの機能は、X.400 XAPIA規格に準拠しています。
MAPIの機能
MAPIには、メール転送エージェント（MTA）やディレクトリサービスへのアクセス機能も含まれており、幅広いメッセージングサービスに対応できます。
サービスプロバイダインターフェース
Extended MAPIインターフェースは、Outlookなどのクライアントアプリケーションが様々なメッセージングサービスにアクセスする際に利用されます。例えば、Microsoft以外の電子メールサーバー製品でも、「MAPIサービスプロバイダ」として実装することで、Outlookからアクセスできるようになります。具体的には、Zimbra、HP OpenMail、IBM Lotus Notes、Zarafa、Bynariなどが挙げられます。
MAPI0にもサービスプロバイダインターフェースがあり、MicrosoftはこれをXENIXベースの電子メールシステムにMS Mailがアクセスするために利用していました。
MAPI/RPCプロトコル
Extended MAPIは、Outlookの主要なメールデータアクセス方法であり、Microsoft Exchange Serverへは、Outlookに同梱されているMAPIサービスプロバイダを通じてアクセスします。MAPI/RPCプロトコルの詳細は、近年公開されました。「MAPIプロトコル」は、MAPI/RPCの別名であり、Exchange RPCやOutlook-Exchange Transport Protocolとも呼ばれることがあります。
参考情報
MSDN[ライブラリ]]のMessaging API: [https://msdn.microsoft.com/en-us/library/office/cc840048.aspx
OpenChangeプロジェクト: MAPIプロトコルの詳細や関連ツールが提供されています。
MAPIは、Microsoftのメッセージング技術の中核をなす重要なAPIであり、長年にわたり、様々なメールクライアントとサーバー間の連携を支えています。特に、OutlookとExchange Serverとの連携においては、MAPI/RPCプロトコルが重要な役割を果たしており、その詳細な理解は、システム開発や運用において不可欠です。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。