Metro (漫画)

作品概要

『metro』（メトロ）は、石川チカによる日本の漫画で、主に東京都地下鉄江戸線「杜下」駅を舞台にした物語です。この作品は『WEBコミック EDEN』（マッグガーデン）で連載され、全4巻での単行本が出版されています。2015年にはドラマCD化もされ、その人気を裏付けています。連載は一旦終了しましたが、2016年からは続編『metro ex』がスタートし、こちらも全2巻が刊行されています。

本作は、基本的に一話完結型のストーリー構成で、主に潮見と月島の二人の駅員、そして上司の佃を中心に、東京都交通局での様々な騒動が描かれています。職場の人間関係や日常の小さな出来事が、時に笑いや感動をもたらす内容となっています。

キャラクター紹介

潮見（しおみ）

晴れやかな風貌を持つ潮見は、憧れの職に就くものの、実は鉄道に興味がない「非鉄」な性格です。大学では建設学科に所属し、杜下駅の漏水対策に興味をそそられ職を志望しました。しかし、乗り物酔いしやすい体質で、同僚である月島からは「個性の薄い奴」と評価されています。母と二人三脚で生活しており、マザコンの一面を持ちながらも、趣味としては漏水対策のテープを使ったオブジェ作りなど、独特な感性を持つキャラクターです。

月島（つきしま）

潮見の同期であり相棒の月島は、鉄道マニアで、時刻表を重視する非常にこだわりの強い性格です。彼は女性恐怖症で、生身の女性が苦手という特徴を持ちつつも、虫や汚物には平気な反面、特有の困惑を感じさせるキャラクターです。潮見との関係は最初はすれ違いが多かったものの、徐々に彼らの理解が深まります。

佃 孝太郎（つくだ こうたろう）

佃は潮見と月島の上司として登場し、鉄道マニアとして知られています。妻と子供がいる家庭人で、息子に「鉄」という名前を付けるほど、鉄道趣味に情熱を注いでいます。普段は優しい性格ながら、怒ると厳しい一面を持っています。彼の存在は職場の雰囲気を引き締める重要な役割を果たしています。

恵子（けいこ）

恵子は佃の愛犬であり、杜下駅のアイドル的存在です。彼女は佃が入社したときにコインロッカーから救出され、そのまま駅の「（非公認）駅長」となりました。普段は寛容で愛らしい性格ですが、怒ると何も容赦しません。

弁天（べんてん）

弁天は佃を心から愛する職員で、柔らかい雰囲気の中に熱い思いを抱いているキャラクターです。彼は普段はやさしい性格ですが、職務中は厳しく仕事に打ち込みます。

その他のキャラクター

作品には他にも個性豊かなキャラクターが多く登場し、それぞれのストーリーの色を加えています。作品の作者である石川もウサギの姿で登場し、ユーモアを交えたエピソードを引き立てています。

このように『metro』は、東京都交通局での仕事の様子や、個性豊かな登場人物たちの日常を描きつつ、彼らの成長や関係性を深めていく様子が魅力的です。マンガとしてのストーリーテリングに加え、ユーモラスな展開が読者の心をつかむ要因となっています。

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