Mi-28 (航空機)

Mi-28攻撃ヘリコプター

Mi-28（ミル28）は、ソ連のミル設計局が手掛けた攻撃ヘリコプターで、NATOのコードネームは「Havoc」です。この機体は、主に対戦車攻撃を目的とした設計で、兵員輸送能力は求められていません。このため、Mi-28はMi-24に比べて最高速度が向上し、戦闘能力が強化されています。

開発の背景

開発は1972年から始まり、Mi-24の完成を受けて新たな攻撃ヘリの設計が進められました。当初はエンジンとプロペラをユニークな配置で考慮しましたが、最終的には保守的な旋回型方式に落ち着きました。1981年には設計が承認され、初の試作機が1982年に完成。その後、試作機の初飛行が成功を収めましたが、カモフ設計局のKa-50が次期制式採用機として選ばれたため、開発は一時的に中断されました。しかし、1995年には改良されたMi-28Nが開発され、その後、ロシア軍に配備されることとなりました。

Mi-28Nとその特長

Mi-28Nは、全天候および夜間戦闘能力の向上を遂げたモデルで、メインローターの上にレーダーを装備。これにより、厳しい気象条件下でも運用が可能です。新たに導入された制御システムや武器システム、さらには自動的な脅威選択機能を持つ人工知能も搭載されています。2006年にはロシア軍からの大量発注を受け、その後の改良型であるMi-28NMが開発されている状態です。

機体形状と設計

Mi-28は、攻撃ヘリコプターとしては標準的なデザインを持ち、胴体前部には乗員がタンデム式に配置され、前席には射撃手、後席には操縦士が座ります。防弾装甲が施された操縦席があり、テールローターはX字型のデザインを採用。主回転翼の下には機関砲と各種ミサイルなどを搭載するためのパイロンが配置されています。

運用と国際的な配備

Mi-28の運用はロシアだけでなく、イラクやウガンダなど各国で行われています。2015年にはシリアへの軍事介入のために配備され、2016年にはイラク軍による作戦に参加しました。また、ウガンダ空軍も反政府組織との戦闘にMi-28を投入し、その効果を報告しました。

事故および安全性

2015年8月、リャザン近郊でMi-28Nのデモフライト中に墜落事故が発生し、パイロットが死亡しました。この事件を受け、すべてのMi-28が一時飛行停止となりました。

派生型の概要

Mi-28には多くの派生型が存在します。Mi-28Aは初期の試作型、Mi-28Lはイラク向けに予定された機体です。Mi-28Nは全天候型で夜間戦闘にも対応し、最新モデルのMi-28NMはさらなる改良が施されています。これらの機体は、各国での戦闘能力を強化する役割を果たしています。

仕様

• - 乗組員: 2名（前席:射撃手、後席:操縦士）
• - 全長: 17.01m
• - 主回転翼直径: 17.20m
• - 最大離陸重量: 11,500kg
• - 速度: 最大324km/h

Mi-28は、独自の設計理念と先進技術を駆使し、攻撃ヘリコプターとしての地位を確立している機体です。その能力は各国の軍事作戦において重要な役割を果たし続けています。

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