MiG-19 (航空機)

MiG-19について

MiG-19（ミグ19）は、旧ソ連が開発した初の超音速戦闘機で、1954年に初飛行を果たしました。これは、世界においても二番目の超音速戦闘機として知られています。MiG-19は、当初防空軍向けの迎撃戦闘機として設計されましたが、後に高性能な制空戦闘機として空軍でも活用されました。この機体は、その性能から多くの国に輸出され、特に旧東側諸国や一部の発展途上国に配備されました。NATOのコードネームは「ファーマー（Farmer）」です。

開発の歴史

MiG-19の開発は、1954年1月5日に最初の試作機であるSM-9/1が初飛行したことから始まります。この機体には、2基のAM-9Bジェットエンジンが搭載され、最高速度は1452 km/hを記録しました。武装として23 mm機関砲が3門、250 kgまでの爆弾を2発搭載可能です。1955年には改良型のSM-9/3が初飛行し、安定性が向上し、30 mm機関砲に変更されたMiG-19Sとして量産されました。

このMiG-19Sは、中国では「殲撃六型（J-6）」として知られ、多数が生産されて軍に配備されました。また、MiG-19SVおよびMiG-19SUは高高度戦闘機として開発されるなど、多様なバリエーションが誕生しました。

実戦での活動

MiG-19は1957年に、ソ連の防空軍による初の実戦活動において、アメリカのU-2偵察機を迎撃しました。その後、この機体はベトナム戦争にも参戦し、北ベトナム空軍の一部として使われました。MiG-19は特に航続距離が短いことが欠点でしたが、当時の北ベトナムでは超音速戦闘機の欠如があり、結果的に受け入れられました。また、中東戦争ではイスラエル軍の飛行機と空中戦を繰り広げました。

さらに、MiG-19はパキスタン空軍でも運用され、インドとの紛争においてもその役割を果たしました。最終的には、冷戦時代の緊張が高まる中でも多くの国で運用され続けました。

特徴と評価

MiG-19の重要な技術的特徴は、55度の後退翼と全遊動式水平尾翼にあります。これにより機体の運動性能は向上していましたが、航続距離と武装搭載量の不足が目立ちました。エンジンの寿命が短く、頻繁にオーバーホールが必要なこともデメリットとして挙げられます。しかし、整備の難易度は低く、特に途上国においては使いやすい機体として評価されました。

西側諸国ではMiG-19は「MiG-15の二番煎じ」とされたり低評価を受けることもありましたが、ソ連内ではその運動性や推力重量比が評価され、長きにわたって主力戦闘機の地位を保っていました。

主要な派生型

MiG-19は多くの系統があります。初期型であるMiG-19は量産が急ピッチで行われ、不満が残る性能もありましたが、MiG-19Sは本格的な配備型として多様なバリエーションに分かれ、最終的にはMiG-19PやMiG-19PM、また中華人民共和国でライセンス生産された「殲撃六型」にも発展しました。

結論

MiG-19は、開発から実戦まで多大な影響力を持っており、多くの国で長期間にわたり使用されました。その性能は古いが、特に制空戦闘機としての地位を確立していきました。今日においても、その系譜は様々な形で受け継がれ続けています。

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