MiG-28 (架空の軍用機)

MiG-28の概要

MiG-28は、1986年に公開されたアメリカの映画『トップガン』に登場する架空の戦闘機です。この機体は劇中でソビエトが開発した未確認の新鋭機であると設定されていますが、実際のところ「MiG-28」としてミグ設計局が開発した航空機は存在しません。本項では、映画に登場するMiG-28に関するさまざまな情報を詳しく紹介します。

映画におけるMiG-28

映画『トップガン』の冒頭やクライマックスでは、MiG-28が激しい空戦を繰り広げます。劇中に登場するこの機体は、実際にはアメリカのノースロップ社が製造したF-5E/F タイガーIIであり、オリジナルの塗装と架空の国籍マークで再装飾されています。具体的には、VFC-13に所属するF-5EとF-5Fが全面黒色に塗られ、黄色の枠線内に赤い星の国籍マークが施されました。

特筆すべきは、MiG-28の外観は基本的にF-5のままであり、外形の改造は行われていない点です。空戦シーンは、実際の海軍パイロットであるマイケル・ガルピン海軍大尉が担当し、リアリティを追求しています。また、効果的なシーンを演出するために、撃墜シーン用のミニチュアも制作されています。

性能と設定

劇中では、MiG-28の性能に関する詳細な説明はありませんが、F-14と格闘空戦を繰り広げる姿から高い機動性能を持つと考えられます。一方で、技術教官のキャラクターが「MiG-28はマイナスG機動ができない」と語る場面もあり、これは背面飛行や背面旋回の不可能さを示唆しています。しかし、映画では実際に高度な機動を見せているため、設定に矛盾を感じるポイントも存在します。

また、MiG-28の武装については、主に翼端に装備された空対空ミサイルや機銃が登場します。具体的には、撮影に使用されたF-5に装着されたAIM-9 サイドワインダーがそのまま描かれ、機銃の詳細は語られていませんが、劇中では機銃の発射炎が翼基部前縁から出る描写があります。さらに、ブリーフィングシーンでは、MiG-28が「射程100マイルのエグゾセミサイルを搭載している」と言及されますが、エグゾセミサイルはソビエト製の航空機には通常搭載されないため、ここに矛盾が生じています。

関連商品

MiG-28はその人気から、さまざまなモデルやプラモデルが商品化されています。たとえば、ドイツのヘルパ社は、タイガーIIのバリエーションモデルとして1/200スケールの完成品を「US Navy F5 Tiger VFC 13 'MiG-28'」という名前で発売しました。また、台湾のAFVクラブも同様にF-5Eのバリエーションとして、1/48スケールのプラモデルキットを販売しています。

結論

MiG-28は『トップガン』の中で魅力的で印象的な存在ですが、実体を持たない架空の航空機です。この機体が映画の中で果たす役割や、実際の機体を元にしたデザイン背景が興味深い要素となっています。映画ファンや航空機愛好者にとって、MiG-28の存在は今なお魅力的な題材であり続けています。

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