MiG-3 (航空機)

MiG-3について

MiG-3（ミグ3）は、ソビエト連邦赤色空軍で運用された戦闘機で、ミコヤン・グレヴィッチ設計局によって開発されました。この航空機は、MiG-1を基にして設計され、高高度に対応した過給器付きのAM-35A液冷エンジンを搭載しています。そのため、高々度での高速性能が求められる戦闘機として位置づけられました。

基本スペックと性能

MiG-3は最高速度640km/h、実用上昇限度を12,000mとし、適応性と高速性を兼ね備えた航空機です。重要な設計改良点には、補助燃料タンクの増設や、キャノピー形状の変更による操縦席からの後方視界の向上、主翼の上反角の増加による機体安定性の向上が含まれます。約3,000機（または3,300機ともいわれる）のMiG-3が生産されましたが、AM-35Aエンジンの生産中止により、その生産は終了しました。

発展型の概要

MiG-3はいくつかの発展型を生み出し、それぞれ異なる目的や性能向上を目指しました。

• - MiG-3（初期型）: 最初の生産モデルで、1940年12月20日に初飛行しました。
• - MiG-3（後期型）: 1941年7月以降に生産が開始され、防御力の強化や空戦性能の改善が図られました。
• - MiG-3 AM-38: 低高度性能向上を目指したAM-38エンジン搭載型で、1941年7月31日に初飛行しました。
• - I-210（MiG-9）: 空冷エンジンM-82を搭載した試作機で、最終的には採用されませんでした。
• - I-230（MiG-3U）: 各部の再設計が行われ、20mm機関砲を2門装備。防空部隊で試験されましたが、量産には至りませんでした。

主な諸元

MiG-3の基本構造は次の通りです。

• - 乗員: 1人
• - 全長: 8.25 m
• - 全高: 3.30 m
• - 翼幅: 10.20 m
• - 空虚重量: 2699 kg
• - 動力: ミクーリン AM-35A 液冷V12エンジン（993 kW）

武装と搭載能力

MiG-3は、様々な武装オプションが用意されています。主な武装は、12.7mm UBS機関銃1丁、7.62mm ShKAS機関銃2丁を基本とし、さらに12.7mm UBK機関銃を翼下に搭載するモデルもあります。また、最大100kgの爆弾または82mmのRS-82ロケット弾を6発搭載できる能力も持っています。

結論

MiG-3はその設計と性能から、多くの戦闘機ファンや歴史愛好者にとって重要な航空機です。高々度での運用や対空戦闘能力、さらにはその発展形の豊富さは、ソ連の航空機技術の進化を物語っています。今でも多くの資料や書籍で取り上げられ、その知識は広がり続けています。

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