Microsoft 管理コンソール

Microsoft 管理コンソール (MMC) は、Windows システムの設定と監視を行うための、システム管理者や上級ユーザー向けのツールです。Windows 2000 以降の Windows NT 系 OS に搭載されており、柔軟なインターフェイスを提供します。

MMC スナップイン

MMC の特徴は、スナップインと呼ばれる COM コンポーネントのモジュールをホストできる点です。これにより、MMC の機能を拡張し、さまざまな管理タスクを実行できます。多くのスナップインは Windows に標準で含まれており、`.msc` という拡張子で保存されます。サーバー製品も専用のスナップインを実装しており、マイクロソフト以外のソフトウェア企業も独自のスナップインを開発できます。

主なスナップイン

MMC のスナップインの中でもよく知られているのは、コントロールパネルの管理ツールに含まれるものです。例えば、「コンピュータの管理」、「イベント ビューア」、「サービス」などが挙げられます。これらのスナップインは、Windows のエディションやバージョンによって異なりますが、少なくとも数種類が用意されています。

また、管理ツールフォルダにはない標準スナップインも、`system32` フォルダに予め含まれています。さらに、プログラムや機能を追加すると、Internet Information Services (IIS) や Microsoft DNS Server のようなスナップインが追加されることがあります。

その他にも、Exchange Server、Active Directory、グループポリシーなどのスナップインがあり、それぞれ特定のシステム管理タスクに対応しています。

バージョン履歴

MMC は、その登場以来、いくつかのバージョンを経て進化してきました。各バージョンで新機能や改善が行われています。

MMC 1.0 は、Windows NT 4.0 Option Pack で初めて出荷されました。
MMC 1.1 は、SQL Server 7.0 および System Management Server 2.0 と共にリリースされ、Windows 9x および Windows NT 用にダウンロード提供されました。このバージョンでは、スナップイン タスクパッド、ウィザード形式のプロパティシート、実行時のスナップイン拡張機能、HTML ヘルプのサポートが追加されました。
MMC 1.2 は、Windows 2000 に標準搭載され、Windows Installer とグループポリシーのサポート、フィルタリングされたビュー、ビューのテキストファイルへの書き出し、ユーザーによるカラムレイアウトの変更などが導入されました。
MMC 2.0 は、Windows XP および Windows Server 2003 でリリースされ、新しいビジュアルスタイル、外部からの MMC スナップインの呼び出し機能（スクリプトなど）、オートメーションオブジェクトモデル、64ビット対応、コンソールタスクパッド、ビューの拡張、ヘルプの MUI 対応が追加されました。
* MMC 3.0 は、Windows Server 2003 R2 で出荷され、Windows Server 2003 SP2、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows XP SP3 にも同梱されました。また、Windows XP SP2 および Windows Server 2003 SP1 向けにダウンロード提供されました。このバージョンでは、ウィンドウ右側の操作パネル、.NET Framework による開発のサポート、スナップイン作成に必要なコード量の削減、デバッグ機能の強化、非同期 UI モデル (MMC 3.0 用のスナップインのみ)、True-Color アイコンのサポート (Windows Vista)、スナップインの追加と削除、DEP (Data Execution Prevention) の強制的な有効化といった新機能が導入されました。

このように、MMC は Windows システム管理において重要な役割を果たしており、その機能は長年にわたって拡張され続けています。

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