MikroTik

MikroTik（ミクロティック）とは

MikroTik（ミクロティック、マイクロティック、ラトビア語: SIA Mikrotīkls）は、ラトビアを拠点とするネットワーク機器メーカーです。同社は、主に有線・無線ネットワーク用のルーター、スイッチ、アクセスポイントなどのハードウェア製品と、それらを制御するためのネットワークオペレーティングシステム（RouterOS）、および各種補助ソフトウェアの開発・販売を手がけています。

創業と成長

1996年に設立されたMikroTikは、新興市場での機器販売を中心に事業を展開してきました。2019年8月時点で従業員数は280名に達し、2015年には2億ユーロの売上を達成し、ラトビア国内で20番目の企業規模に成長しました。この成長の背景には、低価格ながら高性能な製品を提供し、幅広いユーザー層のニーズに応えてきたことが挙げられます。

製品の特徴

MikroTik製品は、その柔軟性と多機能性から、さまざまなニッチ市場で支持されています。特に、コンピュータネットワークのDIY（Do It Yourself）愛好家や、低予算でネットワーク環境を構築したいユーザーに人気があります。RouterOSは、高度なルーティング機能やVPN、ファイアウォールなどの機能を提供し、幅広いネットワーク構築に対応できる点が魅力です。

セキュリティに関する脆弱性

一方で、MikroTik製品には過去にセキュリティ上の脆弱性が指摘されています。

VPNFilterマルウェア: 2018年5月23日、Cisco Talosインテリジェンスグループによって、MikroTik機器がマルウェア「VPNFilter」に対して脆弱であることが報告されました。これにより、多数のMikroTikルーターがサイバー攻撃の標的となりました。
暗号通貨マルウェア: 一部のMikroTikルーターが、暗号通貨マイニングマルウェアであるCoinhiveに感染し、不正に利用された事例も報告されています。これは、ルーターのセキュリティ設定の不備を突いた攻撃でした。
RouterOSの脆弱性: RouterOS 6.42までのバージョンには、WinBoxインターフェースにディレクトリトラバーサルの脆弱性が存在しました。この脆弱性により、認証されていない遠隔の攻撃者が任意のファイルを読み取ることができ、認証された攻撃者は任意のファイルを書き込むことが可能でした。この脆弱性は、早期に修正されたものの、セキュリティ対策の重要性を示す事例となりました。

製品の普及

これらのセキュリティ上の問題にもかかわらず、MikroTik製品は、そのコストパフォーマンスの高さと柔軟な設定性から、広く普及しています。特に、中小規模のオフィスや店舗、家庭内ネットワークでの利用が多く、DIYユーザーにとっては、高度なネットワーク設定を低コストで実現できる選択肢として支持されています。

まとめ

MikroTikは、ラトビア発のネットワーク機器メーカーであり、ルーターやスイッチ、アクセスポイントなどのハードウェアと、独自のRouterOSを開発・販売しています。その製品は、新興市場を中心に普及しており、DIYユーザーや低予算でのネットワーク構築を希望するユーザーに支持されています。一方で、過去にはセキュリティ上の脆弱性が指摘されており、常に最新のセキュリティ情報を確認し、適切な対策を講じることが重要です。

参考情報

公式サイト: https://mikrotik.com/ (英語)

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