Minicraft

『Minicraft』は、あの『Minecraft』の作者として知られるマルクス・ペルソン（Notch）氏が、2011年12月に開催されたゲームジャム「Ludum Dare」で開発した、見下ろし型2Dアクションゲームです。

ゲーム内容

プレイヤーの目的は、空高くに現れた邪悪な存在「Air Wizard」を打ち倒すこと。しかし、Air Wizardに立ち向かうためには、ランダム生成されるフィールドを冒険し、洞窟の奥深くで貴重な素材を集め、強力なアイテムを作成し、武器を強化する必要があります。ゲームシステムは、『ゼルダの伝説』シリーズのような探索要素と、『Minecraft』でお馴染みのクラフト要素が組み合わさった、中毒性の高いものとなっています。

開発の背景

「Ludum Dare」は、事前に発表されたテーマに沿って、48時間以内にゲームを開発するというイベントです。ペルソン氏が参加した2011年12月のテーマは「Alone（ひとりぼっち）」でした。彼は開発の全工程をライブ配信し、ブログで進捗状況を公開しながらゲームを制作しました。

完成した『Minicraft』は、他の891作品と競い合い、「革新性」「楽しさ」「グラフィック」「オーディオ」「ユーモア」「ムード」など、9つの評価基準で審査されました。

評価

『Minicraft』が発表された時期は、『Minecraft』がインディーゲームとして異例の大ヒットを記録した直後であり、本作にも大きな注目が集まりました。

Rock, Paper, Shotgunのアレック・ミーア氏は、「たった48時間という短い期間で、これほどまでに完成度の高い、楽しくて夢中になれるゲームを作り上げたのは素晴らしい」と評価しています。

Boing Boingのロブ・ベシッツァ氏は、短期間での開発を評価しつつも、ゲーム内容の深さに欠ける点を指摘しました。

VentureBeatのダン・クローリー氏は、素材収集の要素について、「シンプルながらも中毒性があり、『Minecraft』と変わらない不思議な魅力がある」とコメントしています。

GamesRadar+のマット・ブラッドフォード氏は、限られた時間の中で、しっかりと遊べるゲームを作り上げたペルソン氏の技術力を高く評価しました。

開発後の展開

ペルソン氏は、2011年12月26日に自身のTwitterアカウントで続編を制作中であることを発表。フォロワーからゲームの方向性について質問されると、「クラフトと地形変更機能を備えたローグライクアクション」と答えました。そして、2012年1月1日には、続編のタイトルが『MiniTale』となることを発表し、ゲームサーバー用のドメイン（.comと.net）を取得したことも明らかにしました。

ペルソン氏は「Ludum Dare」のルールに従い、『Minicraft』のソースコードを公開しましたが、ライセンスは適用しませんでした。そのため、ゲームを改造するプレイヤーに対して、改造版を別の名前で呼ぶように求めました。その後、数週間で多くの改造版が登場し、その中にはコミュニティサイト「PlayMinicraft」で公開された『Minicraft+』もありました。

オリジナルの『Minicraft』はシンプルなゲームですが、その中毒性の高いゲームプレイと、短期間で完成させたペルソン氏の技術力は、多くの人々を魅了しました。現在でも、様々な派生作品が作られ続けており、その人気は衰えることを知りません。

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