Miss Lonely Eyes

Miss Lonely Eyes

「Miss Lonely Eyes」は、日本の人気音楽グループ、1986オメガトライブが1987年7月15日にリリースした通算4枚目のシングル作品です。彼らの楽曲は、その洗練されたサウンドとボーカルのカルロスを中心とした爽やかなイメージで多くの支持を得ていましたが、このシングルもまた当時の期待に応える一作として世に送り出されました。レーベルは前作までと同様、バップレコードからの発売となりました。

この楽曲は、特定のテレビ番組やCMなどとのタイアップを持たない、いわゆるノンタイアップ楽曲として発表されました。さらに、発売当時から活動休止までの間にリリースされた彼らのオリジナルアルバムには一度も収録されなかったという特徴も持っています。初めてアルバムという形態に収められたのは、シングルリリースから2年後の1989年に発売されたベストアルバム『BEST REMIX』においてでした。ただし、この際に収録されたのはオリジナルのシングルバージョンではなく、新たにリミックスが施されたバージョンでした。その後、1991年にリリースされたグループの活動を総括するような作品集『OmegaTribe History:Good-bye OmegaTribe 1983-1991』にも、残念ながらこの曲は選ばれませんでした。

メディア形態に関して特筆すべき点として、このシングルは当時主要な音楽媒体の一つであったシングルカセットとしても発売されましたが、グループにとってシングル作品がカセットとして登場したのは、この「Miss Lonely Eyes」が最初のことでした。これは、当時の音楽市場におけるカセットテープの普及状況と、それに対応したレーベルの戦略を示す一面とも言えます。

また、この楽曲にはプロモーションビデオ（PV）も制作されています。PVにはボーカルのカルロスが出演しており、その映像は楽曲の世界観を視覚的に伝える役割を果たしました。特筆すべき点として、メンバーが本格的に登場するPVがシングルのために作られたのは、この曲が初めての試みでした。それまでのシングルでは、メンバーが前面に出る形式のPVは制作されていなかったため、このPVの存在は、グループのプロモーション戦略における変化を示す出来事でした。

当時の人気音楽番組の一つに『ザ・ベストテン』があり、多くのアーティストがこの番組への出演を目指していましたが、「Miss Lonely Eyes」は残念ながら一度もこの番組で披露される機会を得られませんでした。

シングルのカップリング曲として収められた「interstate」にも注目すべき点があります。この楽曲は、グループのメンバーである黒川照家が作曲を手がけていますが、彼のオリジナル作品がシングルのB面として、あるいはアルバムに収録されたのは、この「interstate」が最初で最後の作品となりました。作詞は「Miss Lonely Eyes」と同じく売野雅勇が担当し、編曲は船山基紀が手がけました。「interstate」もまた、オリジナルアルバムには未収録のままでしたが、後年、CDというメディアでこの楽曲が初めて公式にリリースされたのは、2005年に発売されたボックスセット『1986 OMEGA TRIBE CARLOS TOSHIKI&OMEGA TRIBE COMPLETE BOX "Our Graduation"』に収められた際のことです。

収録曲

全曲作詞：売野雅勇

1. Miss Lonely Eyes
作曲：和泉常寛 / 編曲：新川博
2. interstate
作曲：黒川照家 / 編曲：船山基紀

「Miss Lonely Eyes」と「interstate」は、それぞれ異なる作曲家と編曲家によって手がけられ、カップリング曲がメンバーによる唯一のオリジナル楽曲である点、そして両曲ともにオリジナルアルバムには収録されなかった点など、このシングルは1986オメガトライブのディスコグラフィーにおいて、いくつかの興味深い側面を持つ作品と言えます。後年のリミックス盤やボックスセットでの収録により、その存在が再び注目されることとなりました。

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