Mk 41 (ミサイル発射機)

Mk.41 垂直発射システム（Mk.41 Vertical Launching System）

Mk.41 垂直発射システムは、現在の軍艦において最も一般的に採用されているミサイル発射システムです。このシステムは、垂直にミサイルを発射する方式を採用しており、スタンダード、トマホーク、VLAなど、さまざまなミサイルを同時に保持し、必要に応じて迅速に発射することが可能です。この柔軟性により、複雑な脅威に対しても高い対応能力を持つことが特徴となっています。

1. 来歴

Mk.41の開発は1965年から1966年にかけて始まり、先進水上ミサイル・システム（ASMS）から派生したものです。このシステムは1976年に基本設計を完了しましたが、最初に建造されたタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦には間に合わず、最初の5隻では従来の連装式Mk.26が採用されました。その後、6番艦である「バンカー・ヒル」よりMk.41の搭載が開始されました。

2. 設計と特徴

Mk.41は、弾薬庫と発射機が一体化した設計になっており、その最大の特徴は複数種類のミサイルを同時に収納し、迅速に発射できる能力です。システムは、1秒に1発のミサイルを発射することができるため、緊急事態においても即座に対応が可能です。また、運用に必要な人員は、従来のMk.26搭載艦の11人から8人にまで減少しており、省力化も図られています。

3. システム構成

Mk.41システムは、発射機を含む各種構成機器から成り立っています。各バージョンは、構成機器の違いにより異なるバージョンが存在します。システムの基本単位はミサイル・セルであり、これを8セル集めたモジュールが構成の基礎となります。このモジュールには、横幅の広いMk 158/159発射機があり、ミサイル再装填用のクレーンを有するストライク・ダウン・モジュールも組み込まれています。ただし、洋上での再装填の難しさから、この機能は新しいモデルでは取り除かれました。さらに、単一のセルで使用することができるSingle Cell Launcher（SCL）も開発されています。

4. ミサイル・セルのサイズ

Mk.41で使用されるミサイル・セルには、三種類のサイズがあります。最も大型のものは「Strike-Length」で、サイズは約7.7メートルであり、トマホークやスタンダードミサイルなど、多くのミサイルを運用できます。中型は「Tactical-Length」で約6.8メートル、最小型の「Self-Defense」は約5.3メートルです。それぞれのミサイルは専用のキャニスターに収容されています。

5. 運用の歴史と搭載艦

Mk.41システムが搭載される艦艇としては、タイコンデロガ級の「バンカー・ヒル」や、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦が挙げられます。特に、アーレイ・バーク級駆逐艦においては、設計当初からMk.41の搭載が計画されており、重要なサブシステムとして位置付けられています。また、Mk.41システムは国外でも採用が進み、現在11カ国の海軍で173隻の艦艇に搭載されています。

このように、Mk.41 垂直発射システムは、その高い運用性と多用途性から、現代の海軍戦力において不可欠な存在となっているのです。

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