Mk 45 5インチ砲

Mk.45 5インチ砲について

Mk.45 5インチ砲は、アメリカ海軍において使用されている艦砲システムであり、軽量な設計と高い発射能力を兼ね備えています。この砲は、54口径の5インチ（127 mm）砲Mk.19または62口径5インチ砲Mk.36を基にしており、主に水上目標や地上目標に対する射撃に適しています。

歴史的な背景

Mk.45の開発は、第二次世界大戦後の1950年代から始まりました。アメリカ海軍は1934年に38口径12.7cm砲（Mk.12）を導入し、これを駆逐艦などの主砲として広く採用しましたが、時が経つにつれ、対空兵器の一部は艦対空ミサイルに移行するようになりました。そのため、より進化した対地・対水上戦闘能力を求める声が高まり、Mk.45の開発が行われることとなりました。

Mk.42 5インチ砲の登場後、その高い発射速度は魅力的でしたが、複雑な装填機構や重いシステムが運用を難しくしていました。そこで、アメリカ海軍は1964年にFMC社に対して軽量な自動砲の設計を依頼し、これがMk.45の基盤となりました。1968年に開発が完了し、実験艦「ノートン・サウンド」での試験を経て、最初にカリフォルニア級原子力ミサイル・フリゲートへ搭載されることが決定しました。

設計と性能

Mk.45の特徴としましては、重さが24トンと軽量であり、装填機構は完全無人化されていることが挙げられます。この設計により、発射作業が効率化され、クルーの負担が大幅に軽減されます。砲身の最大仰角は65度とされ、他の同様の砲と比べてやや低めですが、特に対水上・対地的な使用が重視された設計です。発射速度は毎分20発で、即応弾も20発と、迅速な対応が可能です。

また、砲身命数も向上し、Mk.19砲では7,000発とされています。初速は新品状態で808メートル毎秒です。この砲は、精密射撃を可能にするための様々な弾薬にも対応しており、EGRM（Extended Range Guided Munition）などの誘導弾薬の開発が試みられていましたが、これらには実用化が難しい課題がありました。しかし、その後もBAEシステムズが新たな誘導弾薬の開発を進めています。

派生型と特長

Mk.45にはいくつかの派生型が存在します。Mod 0が原型であり、Mod 1では信管が機械式から電子式に変わりました。Mod 4はMk.36 mod.4砲を採用し、更なる性能の向上が試みられました。これにより、砲の運用能力が高まり、新たな戦術的使用が模索されています。

使用艦艇

Mk.45は多くの艦船に搭載され、アーレイ・バーク級ミサイル[[駆逐艦]]やカリフォルニア級フリゲートに数多く使用されています。また、映画やアニメなどでもこの砲の存在が描かれており、特に『GODZILLA ゴジラ』や『ザ・ラストシップ』などで印象的なシーンに登場しています。

このように、Mk.45 5インチ砲はアメリカ海軍にとって重要な兵器であり、今後もその性能が進化し続けることが期待されています。

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