Monacoin

モナコイン：日本発のコミュニティ主導型暗号通貨

モナコインは、日本の匿名掲示板サイト2ちゃんねるのソフトウェア板で開発された、日本発の暗号通貨です。愛称は「モナーコイン」。2ちゃんねる発祥のアスキーアート「モナー」から名付けられ、通貨単位は「MONA」です。日本初の暗号通貨という歴史的背景から、2ちゃんねるを中心とした国内コミュニティで広く利用され、独自のサービスや文化が育まれています。

開発と歴史

モナコインは、Litecoinなどの採掘プール「2chpool」を運営していたMr.Watanabeによって開発されました。2013年12月23日にβ版がリリースされた後、改良を経て、2014年1月1日（UTC）に正式版がリリースされました。

その後、モナコインは急速に発展していきます。2014年には、モナコインを用いた土地売買が成立、モナコインを送受信できる掲示板がオープン、主要取引所への上場などが実現しました。技術面でも進化を続け、SegWit対応やアトミックスワップへの対応など、セキュリティと機能性の向上に努めてきました。

しかし、成長過程では課題にも直面しました。2018年には、不正入手目的のウイルス作成に関わった高校生が逮捕される事件が発生。同年にはセルフィッシュマイニング攻撃によるブロックチェーンの再編成（reorg）が発生し、取引所に多大な被害が出ました。こうした出来事を教訓に、モナコインコミュニティは、ジャッジノードの導入など、ネットワークのセキュリティ強化に力を入れています。

技術的な仕組み

モナコインは、ウォレットと呼ばれるクライアントプログラムを通じて、P2Pネットワークに参加します。中央管理者は存在しません。

マイニングアルゴリズムには、ASIC耐性のあるLyra2REv2（初期はscrypt）を採用。ブロック報酬は、約3年半ごとに半減期を迎えます。ブロック生成時間は平均90秒、発行上限は1億512万MONAと設定されています。また、開発者による事前採掘（Premine）はありません。

Difficulty調整（ネットワークの採掘難易度調整）においては、当初は2,400ブロックごとでしたが、その後、KGW、DigiShield、Dark Gravity Wave v3と、より高度なアルゴリズムへと変更されてきました。これは、ネットワークの安定性とセキュリティ維持のために行われた重要なアップデートです。

活気あるコミュニティと特徴

モナコインの大きな特徴は、活発なコミュニティの存在です。多くのユーザーが、モナコインを様々な用途で利用しています。

決済手段: 一部の店舗やECサイトで決済手段として採用されています。
投げ銭: クリエイターへのオンライン支援として利用されています。
コミュニティイベント: モナコイン神社の建立、ポスターラリーなど、ユニークなコミュニティイベントが開催されてきました。
独自のトークン発行システム: Monapartyというトークン発行システムが開発されています。
* NFT取引所: モナコインでNFTを売買できる取引所「チョコモナカ」も登場しました。

これらの事例からもわかるように、モナコインは単なる暗号通貨にとどまらず、コミュニティが主体的に発展させてきた独自のエコシステムを構築しています。今後、モナコインがどのような進化を遂げるのか、コミュニティの動向とともに注目されます。

もう一度検索