Monogatary.com

monogatary.com

monogatary.com（モノガタリードットコム）は、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営を手がける、小説やイラストなどの創作物を中心としたソーシャルネットワーキングサービスです。

概要

このプラットフォームは、「ストーリーエンタテインメントプラットフォーム」をコンセプトに掲げています。ユーザーは、毎日新しく提示される「お題」に基づいて、自身の小説やイラストなどの作品を投稿することができます。投稿された作品に対しては、他のユーザーがコメントを残したり、独自の評価システムでポイントを付与したりすることが可能で、活発な交流が行われています。特筆すべきは、作品を投稿するクリエイター側だけでなく、作品を閲覧する読者側も積極的に参加できる仕組みが導入されている点です。例えば、自身が良いと感じた作品を他のユーザーに推薦することで、プラットフォーム内における読者としてのランクが上昇するなど、能動的な関与が奨励されています。

出版物

本プラットフォームで生まれた作品は、ウェブ上だけでなく、物理的な形でも展開されています。2018年3月には、プラットフォーム名を冠した雑誌『月刊monogatary.com』が創刊され、優秀作品などが掲載されています。

主要企画「モノコン」

monogatary.comの活動の中でも特に大きな位置を占めるのが、定期的に開催される創作コンテスト「モノコン」シリーズです。このコンテストでは、毎回複数の「賞」が設けられ、それぞれの賞に設定された特定のお題に沿って物語や関連作品が募集されます。優秀作品は、賞の性質に応じて様々な形で作品化される点が特徴です。

モノコン2019

モノコン2019では、11の賞が設定されました。この中には、特定のメディアでの作品化を目指す賞が多く含まれていました。例えば、「ソニーミュージック賞」では、選出された物語を基にした楽曲やミュージックビデオが制作され、そこから音楽ユニット「YOASOBI」が誕生するという、後の大きな展開に繋がる成果が生まれました。他にも、ホラードラマ、ショートムービー、漫画、声優による朗読入り電子書籍、ショートドラマなど、多岐にわたるメディアでの作品化が行われました。「読者賞」のように、作品を積極的に読んだり評価したりしたユーザーが表彰される仕組みもあり、読者参加型プラットフォームとしての側面が強調されました。

モノコン2020

モノコン2020では、6つの賞が設けられました。いきものがかりとのコラボレーションによる楽曲の世界観をテーマにした小説募集や、身近な出来事を描いた投稿を基にGIFアニメやイラストを制作する企画、リモートでの交流をテーマにしたショートドラマ化、声優がキャラクターボイスを担当するオーディオドラマ化など、前年に引き続き多様なメディアミックス展開が行われました。また、「モノコン読書感想文賞」として、コンテスト応募作品全体の感想文を募集するユニークな試みも行われました。

モノコン2021・2022

モノコン2021は「物語部門」「モノカキ部門」「チーム戦部門」の3つの異なるステージで開催され、多様な角度から創作活動を支援しました。モノコン2022では、空想料理、Vlogドラマ、Webtoon、さらにはパンや香水をテーマにした作品募集など、より幅広いジャンルや生活に根ざしたテーマを取り入れた9つのコンテストが同時開催され、サービスの裾野の広がりを見せました。

その他の企画

モノコン以外にも、様々なアーティストやクリエイターとのコラボレーション企画が実施されています。例えば、歌手のReoNaとボカロPの傘村トータによるコラボコンテストでは、「オムライス」というユニークなお題で物語を募集し、優秀作品を基にした漫画ミュージックビデオが制作されるなど、継続的に新しい試みが行われています。

monogatary.comは、日々の創作活動を促す「お題」システム、活発なユーザー間の交流機能、そして「モノコン」に代表されるような多様なメディアミックス展開を通じて、新たな才能の発掘と育成、そして書き手と読み手が共に物語を楽しむ文化の醸成を目指しているプラットフォームと言えるでしょう。