Mv (UNIX)

mvコマンド：ファイルとディレクトリ操作の基本

mvコマンドは、POSIXとSingle UNIX Specificationによって規定されている、Unix系OSにおける基本的なコマンドの一つです。名前の通り「move」の略であり、ファイルやディレクトリの移動、そして名前の変更を行う際に使用されます。

mvコマンドの構文

mvコマンドは、以下の2つの基本的な構文で使用します。

1. ファイルの移動または名前変更:
bash
mv [options] source destination

- `source`: 移動または名前を変更する対象のファイルまたはディレクトリを指定します。
- `destination`: 移動先または新しい名前を指定します。

2. 複数のファイルをディレクトリへ移動:
bash
mv [options] source... directory

- `source...`: 複数の移動対象のファイルまたはディレクトリをスペース区切りで指定します。
- `directory`: 移動先のディレクトリを指定します。

POSIXオプション

mvコマンドには、POSIXで規定されたいくつかのオプションがあります。これらのオプションを組み合わせることで、より柔軟な操作が可能です。

• - `-f` または `--force`：上書きの確認をせずに、強制的に移動または名前変更を行います。このオプションを指定すると、既存のファイルやディレクトリを上書きする際に確認のメッセージが表示されなくなります。
• - `-i` または `--interactive`：移動先に同名のファイルやディレクトリが存在する場合、上書きの確認を求めるメッセージを表示します。`-f`オプションと同時に使用した場合、後に指定したオプションが優先されます。

特殊なファイル名の扱い

ハイフン（`-`）で始まるファイル名を扱う際に、いくつかの注意が必要です。mvコマンドの多くの実装では、ハイフンで始まるファイル名をオプションとして認識しないように、特殊オプション（`--` または `-`）が用意されています。

例えば、`-`という名前のファイルを`f`という名前に変更したい場合、以下のようにコマンドを実行します。

bash
mv -- - f


または、

bash
mv ./- f


このように、`--`を使用するか、パス名を付加することで、ハイフンで始まるファイル名を正しく扱うことができます。この特殊なファイル名の扱いは、`cp`コマンドや`rm`コマンドでも同様の注意が必要です。

外部リンク

mvコマンドに関するさらに詳しい情報は、以下の外部リンクを参照してください。

• - Manpage of MV (JM Project)
• - mv man page（FreeBSD版、英語）
• - mv man page（OpenBSD版、英語）
• - mv ドキュメント（GNU版、英語）
• - mv(1) man page（SunOS リファレンスマニュアル）
• - mv(1) man page（HP-UX リファレンス）

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