N&Bブロック

N&Bブロック（エヌビーブロック）について

N&Bブロックは、1968年に任天堂が投入した画期的なブロック玩具です。その名称は「Nintendo & Block」の略であり、エスビー食品の「S&B」と同様に“&”は発音を省くシンプルな表現が魅力です。この商品は、当時の日本の玩具市場に新たな風を吹き込む存在として登場しました。

登場背景

1968年当時、日本の玩具業界ではレゴやダイヤブロックといった定番のブロック玩具がすでに存在しており、アサヒ玩具から「ワンダーブロック」、丸幡玩具から「プッシュブロック」なども登場し、ブロック玩具ブームが起こっていました。この流れの中で任天堂はN&Bブロックを発表し、競合相手であるダイヤブロックとの協定を結び、お互いのビジネスに干渉しないことを約束しました。

商品の特徴と魅力

N&Bブロックは、発売当初から魅力的な広がりを持った商品ラインナップを展開しました。2階建ての家や動物、さらには月面探査車をモチーフにした『クレーター』など、多彩なデザインが用意されました。特に、『クレーター』は1969年に急速な人気を誇りました。なお、他のキャラクターとのコラボ商品も多く、仮面ライダー、ミラーマン、シルバー仮面など、人気キャラクターを使った製品も展開されていたのです。

このブロック玩具が特異な点として、世界で初めて円型、半円型、円錐型のブロックを採用したことが挙げられます。これにより、従来の四角いブロックだけでは生まれなかった多様な組み立て方が可能となり、ユーザーの創造力を引き出しました。また、N&Bプレイブックというカタログも発行されており、ユーザーが楽しむための情報が提供されていました。

法的問題と展開

しかし、このブロック玩具は発売当初からレゴの実用新案権を侵害する形で、デンマークのレゴ本社から訴えられる事態に見舞われました。このため、販売開始から数年で任天堂はエレクトロニクス玩具に舵を切り、N&Bブロックから撤退します。これは1970年代初期の出来事でした。

ゲームとの関連性

興味深いことに、1992年にはゲームボーイ用ソフト『スーパーマリオランド2 6つの金貨』の一部ステージにN&Bの表記が見られ、ゲームとブロック玩具の意外な関連を残しました。こうした関連性からも、N&Bブロックは任天堂の歴史において重要な役割を果たしたと言えるのではないでしょうか。

まとめ

任天堂のN&Bブロックは、その独自のデザインや多彩な商品ラインナップ、さらにはキャラクターとのコラボレーションなど、ブロック玩具の新しい可能性を切り開きました。競争が激しい時代においても、創造的な楽しさを提供したこの製品は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。当時のブロック玩具ブームの一翼を担ったN&Bブロックは、玩具の歴史において特別な位置を占めています。

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