NACK ON TOWN

FM NACK5で1997年3月31日から2011年3月31日まで、毎週月曜日から木曜日の午後1時（13:00）から午後4時55分（16:55）にかけて放送された、帯広域情報バラエティ番組です。番組開始当初からリスナーからは愛称の「ON TOWN」として親しまれ、その約14年間の放送期間は、当時のNACK5の午後帯番組としては最も長い歴史を誇りました。

番組の概要と歴史

番組はリスナー参加型の手法を多く取り入れ、日替わりのテーマに対するメッセージや、日常の出来事を綴った「ふつおた」などをFAXやメールで募集しました。特にユニークだったのは、リスナーのメッセージを読む際にラジオネームではなく本名の下の名前を使用するスタイルです。これは、単なる投稿者としてではなく、一人ひとりのリスナーとの距離を縮める試みとして、番組に親近感をもたらしました。

番組は安定して高い聴取率を維持し、FM NACK5を代表する看板番組の一つとしての地位を確立しました。しかし、2011年春のFM NACK5全体の大規模な番組改編に伴い、惜しまれつつもその歴史に終止符を打つこととなりました。これにより、『OH! HAPPYDAY』から続いた土屋滋生がパーソナリティを務める平日昼のワイド番組シリーズも終了を迎えることとなりました。番組終了後、同じ時間帯では三遊亭鬼丸と横田かおりがパーソナリティを務める『GOGOMONZ』がスタートし、土屋滋生は同年4月より深夜帯の新番組『STROBE NIGHT!』の水曜日へ活躍の場を移しました。

パーソナリティ陣

長きにわたり番組の「顔」を務めたのは、メインパーソナリティの土屋滋生（愛称：ツッチー）です。彼は番組開始から最終回まで、全ての放送を担当しました。女性パーソナリティは複数交代しています。

初代女性パーソナリティは柳井麻希（1997年3月31日〜2003年 9月30日）。TBSラジオの帯番組を担当することになり降板しました。
2代目は澤美代子（2003年 10月1日〜2009年 12月30日）。産休に伴い番組を離れました。
* 3代目にして最後の女性パーソナリティはnaoko（2010年 1月4日〜2011年3月31日）。土屋滋生が冗談で呼び始めた「センパイ」という愛称がリスナーにも浸透しました。

この他にも、ショッピングキャスターとして堂尾弘子、NACK5報道情報センターのニュースキャスターなど、様々な出演者が番組を支えました。

番組を彩った企画とコーナー

番組の中核を担ったのが、日替わりで設定されるテーマに対するリスナーからのメッセージに基づき、皆で意見を交換する「街の相談室」です。ここから番組ステッカーが贈られることもありました。また、テーマとは直接関係ない日常の出来事やふとした思いを綴った「ふつおた」もリスナーとの大切な交流の場でした。

定期的に放送されたコーナーには、その日のテーマを深掘りする「INFORMATION-POD」、リスナー参加型のクイズ企画「あなたにQUESTION」、生活に役立つ情報や商品を伝える「RADIO Shopping」や「DELIGHT MY CAR」、ニュースを分かりやすく伝える「NACK5 Afternoon LINE」、リスナーからのリクエストに応える「NTT SONG FOR YOU」、大切なメッセージを届ける「言ってfor Me」など、多岐にわたりました。

さらに、曜日ごとに異なる特色あるコーナーを展開しました。月曜日の「週刊フラTOWN」はフラダンスやハワイの情報を、火曜日の「アイダ設計 MY HOME PARTNER」は住まいや暮らしの相談に答える企画、水曜日の「SEIBU NAVI」は西武沿線の情報や埼玉西武ライオンズの話題を、木曜日の「ベイシア DINNG MARKET」では簡単なレシピ紹介を行いました。番組最末期には、豆腐の開発企画「波乗り TOUHU TOWN」も実施されました。

不定期ながらリスナーを楽しませた企画も数多くあります。プロ野球選手の情報、競馬予想、特定のテーマを掘り下げる「週刊○○○TOWN」や「月刊ディズニーTOWN」など、バラエティに富んだ内容で番組を盛り上げました。

リスナーとの絆とユニークなエピソード

『ON TOWN』はパーソナリティとリスナー、そしてスタッフとの親密な関係性が多くのエピソードを生み出しました。特に記憶に残るのが、2代目女性パーソナリティの澤美代子氏がアニメの技名を誤読したことから始まった「かめはめなみ」騒動です。この言葉はリスナーの間で定着し、スペシャルウィークで「かめはめ相談室」という企画になるまでに発展しました。

また、土屋滋生氏の納豆嫌いが、番組企画での実食を機に見事に克服された話や、澤氏が「お嬢様」であるという番組内でのキャラクター設定（主に土屋氏による妄想や本人の発言に基づく）など、パーソナリティの人柄が垣間見えるエピソードは番組の大きな魅力でした。

土屋氏と澤氏のモノマネ披露や、番組ディレクターである西哲男氏（てつお、てったん）がリスナーからの人気を集めたり、澤氏の体調不良時に急遽ピンチヒッターを務めたりしたエピソードも語り継がれています。他の番組、特に同局の『The Nutty Radio Show 鬼玉』や『HITS! THE TOWN』との交流も深く、他の番組のパーソナリティが「いきなりゲスト」として登場したり、番組間での面白いやり取りが話題になったりしました。

かつて、番組でリスナーからの要望を受けて製作されたオリジナルの番組ステッカーは、そのデザインを変えながら長年リスナーへのプレゼントとして親しまれました。また、埼玉県内外のショッピングモールや、NACK5本社のある大宮アルシェ内のSTUDIO ARCHEなどでの公開放送も定期的に行われ、リスナーがパーソナリティに直接会える場として人気を博しました。

土屋滋生氏が別の番組で「卒業」と誤解された騒動や、土屋氏と澤美代子氏の「恋人?疑惑」が他の番組を巻き込んで発展した話、リスナーへのプレゼント企画として話題になったNintendo Wiiが結局プレゼントされなかった一件など、数々のユニークなエピソードが番組の歴史を彩りました。

『NACK ON TOWN』は、パーソナリティ、スタッフ、そして何よりもリスナーが一体となって作り上げた、温かい雰囲気と笑いに満ちたラジオ番組として、多くの人々の記憶に残っています。

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