NBCテロ対応専門部隊

NBCテロ対応専門部隊およびNBCテロ対策部隊

日本において、NBC兵器（核兵器、生物兵器、化学兵器）によるテロ対策を専門的に行う部隊が存在します。この部隊は、NBCテロ対応専門部隊およびNBCテロ対策部隊と呼ばれ、警察庁によって設立されています。

概要

NBCテロが発生した際、この部隊は速やかに出動し、現場での対応にあたります。具体的には、被害の拡大を防ぎ、被害者の救助や避難誘導を行います。そのために、危険物質の検知や除去に関する専門技術や装備を持っていることが求められます。

日本全国で、これらの部隊は、北海道、宮城、東京、千葉、神奈川、愛知、大阪、広島、福岡の9つの都道府県の警察に配置されています。これにより、合計で約200名の隊員がNBCテロに立ち向かう体制を整えています。さらに、他の府県警察や空港警備隊にも約400名のNBCテロ対策部隊が設置されています。

特に、1995年の地下鉄サリン事件や2001年のアメリカ炭疽菌事件を受けて、警察庁は対策を強化しました。例えば、2000年には警視庁公安部に「NBCテロ捜査隊」が設立され、大阪府警察には「NBC初動措置隊」が誕生しました。こうした取り組みを通じて、各道県の警察機動隊にも同様の部隊が設けられています。

専門教育と訓練

NBCテロ対応専門部隊の隊員は、取り扱う物質が特殊であるため、陸上自衛隊化学学校で専門的な教育を受けます。これにより、高度なスキルと知識を養い、現場での効果的な対応が可能となります。さらに、近年では「合同テロ対策訓練」が各地で実施されており、消防や自衛隊と共に訓練を行っています。

機動隊化学防護隊

警視庁では、公安部にNBCテロ対応専門部隊を配置しているほか、機動隊の一部にも化学防護隊が編成されています。この部隊は、テロや化学事故に迅速に対応できる能力を持ちます。1984年の松本サリン事件を教訓に、警視庁は化学防護服や化学分析器を一部の機動救助隊員に装備させ、訓練を重ねてきました。特に1995年に起こった地下鉄サリン事件に際しては、訓練を受けた部隊が出動し、それ以降化学防護隊が正式に設立されました。

装備

NBCテロ対応専門部隊や化学防護隊は、多様な装備を持っています。以下は主な装備品です：

• - 化学防護服
• - 陽圧防護服
• - ガスマスク
• - 空気呼吸器
• - 化学分析器
• - 中和剤噴霧器
• - 中和剤タンク車両
• - 除染シャワー

これらの装備は、NBCテロに対する強固な防衛体制を支える重要な要素です。これにより、隊員は現場で迅速かつ適切な対応が可能となります。

結論

日本のNBCテロ対応専門部隊は、核、生物、化学兵器を用いたテロに対する迅速な対応を目指して、多くの教育や訓練を重ねています。専門的な知識と高度な装備を持つ彼らは、国民の安全を確保するために日夜努力しています。

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