NEXT21 (大阪ガス)

NEXT21: 環境とエネルギーの未来を探求する実験集合住宅

NEXT21は、大阪市天王寺区に位置する未来型実験集合住宅です。1993年10月に完成したこの建物は、大阪ガスが環境やエネルギーの研究を目的とし、実際に社員とその家族が居住して様々な実験を行っています。NEXT21は、近未来の都市居住の形を模索するためのプラットフォームとなっており、数回の実験フェーズを経て、その成果を反映させています。

実験フェーズの概要

NEXT21の居住実験は、「第1フェーズ居住実験」と呼ばれる1994年4月から1999年3月までの5年間と、「第3フェーズ居住実験」という2007年4月から2012年3月までの5年間の期間を含みます。これらのフェーズでは、入居した家族や住民が実際の居住体験を通じて得たデータをもとに、環境技術やエネルギー効率の向上を目指した研究が行われました。

現在は第4フェーズに入り、新たな研究や試みが進んでいます。これにより、次世代の都市生活に適した居住環境の開発が期待されています。具体的な研究テーマとしては、エネルギーの自給自足や再生可能エネルギーの導入、持続可能な都市づくりが挙げられます。

建築の特徴

この集合住宅の建築についても興味深い点が多くあります。NEXT21の正式名称は「未来型実験集合住宅NEXT21」といい、地上6階、地下1階の構造を持っています。敷地面積は1,542.92平米、建築面積は896.20平米（全体の58.1%）、延床面積は4,577.20平米におよびます。

構造は、地下1階から2階までをSRC造（鉄骨鉄筋コンクリート造）、3階から6階までをPCa（プレキャストコンクリート）とRC（鉄筋コンクリート）の混合造としています。この設計は、強度や耐震性の向上を図りつつ、立体的な居住空間を提供することに寄与しています。さらに、1995年にはグッドデザイン賞を受賞しており、デザイン性の高さも評価されています。

持続可能な未来への寄与

NEXT21は、環境に優しい暮らしを実現するための様々な試みがなされています。たとえば、屋上の緑化や、エネルギーの効率的な利用がその一環として実施されています。また、新たな技術を試す場としてだけでなく、コミュニティの形成や住民同士の交流を促すことも重視されており、環境への配慮をもって持続可能な生活が送れるように仕組まれています。

今後もNEXT21は、新しい技術の実証を行いながら、持続可能なコミュニティの試みを進めていく予定です。このように、NEXT21は単なる集合住宅ではなく、未来の都市生活を豊かにするための実験場でもあるのです。

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