NGT48山口真帆暴行被害事件

NGT48山口真帆暴行被害事件とは

2018年12月8日、新潟市で発生したNGT48の元メンバー、山口真帆が自宅マンション前で暴行被害を受けた事件です。当初、事件は公にされませんでしたが、山口自身がSNSで告発したことで、社会に大きな衝撃を与えました。事件後、運営会社AKS（当時）の対応や、アイドルとファンとの関係性が議論の的となり、多くのメディアで報道されました。

事件の概要

事件当時、山口真帆はNGT48のメンバーとして活動していました。2018年12月8日午後9時半ごろ、公演を終えて帰宅した自宅マンション前で、2人の男性に待ち伏せされ、顔を掴まれるなどの暴行を受けました。

警察の調べによると、男性Aと男性Bが山口に声をかけた際、山口が悲鳴を上げたため、口を塞ごうとしたとされています。駆け付けたメンバーや警察によって、男性2人は現行犯逮捕されましたが、その後不起訴処分となり釈放されています。山口は、他のメンバーが事件に関与していたと主張しましたが、警察の捜査では確証は得られませんでした。

第三者委員会報告書の説明会見では、記者から他のメンバーからの謝罪の有無について質問があり、運営取締役は「それはございます」と回答しています。後の民事訴訟では、加害者とされる男性の1人が暴行を否定する証言をしています。また、事件直後の説明で、男性ファン2人が他のメンバー8人と私的な繋がりがあったことを明かしました。

運営側は「以前から食事をするなど交流を持っていた一部メンバー」について、処分するほどの程度ではないと判断し、「つながりはゼロではなかった」と説明しています。

事件発生後の経緯

山口による告発

事件当初、運営会社AKSは事件を公表せず、山口自身がSHOWROOMやTwitterで告発するまで、事件は明るみに出ませんでした。山口は「私とまた同じ目に遭う人がいるのに、1カ月待っても、何も対処してくれなくて」と訴え、メンバーの関与についても言及しました。

マスメディアの報道

山口の告発を受け、NHKが主要メディアとして初めて事件を報道し、その後、他社も追随して連日報道されるようになりました。

AKSの声明

AKSは公式サイトで声明を発表し、山口への暴行被害を認め、メンバーの1人が男性に帰宅時間を伝えてしまったことを認めました。また、再発防止のために全グループメンバーへの防犯ベル支給などの対策を講じることを表明しました。

山口真帆による謝罪

NGT48の3周年記念公演で、山口は事件について謝罪しましたが、被害者が謝罪することに批判が集まりました。AKSは「結果的に本人の口から、被害者が謝罪となってしまったことは深く深く反省している」と述べています。

人事異動

事件後、AKSは支配人の今村悦朗を異動させ、早川麻依子を新支配人とする人事を発表しました。

第三者委員会の設置と報告

AKSは第三者委員会を設置し、事件の調査を行いました。しかし、報告内容に対して山口がTwitterで反論するなど、溝が浮き彫りとなりました。

山口のNGT48卒業

2019年4月21日、山口真帆はNGT48からの卒業を発表しました。卒業公演では、秋元康が書き下ろした新曲「太陽は何度でも」が披露され、同期や後輩メンバーも参加しました。最後の曲は欅坂46の「黒い羊」であり、運営への皮肉とも解釈されました。

卒業後、山口は芸能事務所・研音に所属し、舞台やテレビドラマ、映画に出演するなどしていましたが、2023年9月末に退所し、現在はフリーランスとして活動しています。

事件の余波

一連の騒動を受け、スポンサーが撤退し、NGT48の冠番組が終了するなど、グループの活動に大きな影響が出ました。また、AKB48選抜総選挙も2019年以降、開催されていません。

この事件は、アイドル業界における運営体制やファンとの関係性について、多くの課題を提起しました。

もう一度検索