NHKアーカイブス (施設)

NHKアーカイブスについて

NHKアーカイブスは、2003年2月1日に埼玉県川口市のSKIPシティ内に設立された、放送の歴史を保存し、伝えるための施設です。このアーカイブスは、日本放送協会（NHK）のテレビ放送開始50周年を記念して創設されました。施設の運営は、NHKと埼玉県の共同によって行われており、多くの人々に愛されながら、貴重な放送素材が収蔵されています。

施設の概要

NHKアーカイブスの前身は、1981年に設立された「NHK放送番組ライブラリー」で、放送されたテレビやラジオ番組の映像および音声素材が膨大に収蔵されています。ただし、NHKに著作権のない政見放送や不祥事に関与したラジオ名人寄席の一部回などは収蔵されていません。1999年には「NHK映像アーカイブセンター」としての計画が立案され、歴史的な記録を未来の世代に広めることを目的として設立が進められました。

アーカイブスには、NHK製作のドラマ、ドキュメンタリー、音楽番組など、60万本以上の素材が所蔵されており、その中から約6000本の映像と音声素材を権利処理の済んだ状態で自由に視聴できるようになっています。また、展示物として放送用のビデオテープや人形劇の人形なども含まれており、訪れる人々に放送の歴史を感じさせています。

設備とサービス

アーカイブスでは、放送素材の同録システムも整備されており、全国のNHK各放送局と光ファイバーで結ばれています。このため、制作現場からのリクエストに基づいて素材がリアルタイムで視聴でき、利用者はパソコンを使ってライブラリー内の資料を簡単に検索できます。このようなシステムにより、貴重な素材が失われるリスクが減り、放送制作での活用が容易になっています。

さらに、NHKの各地の放送局でも「NHK番組公開ライブラリー」が提供されており、オンラインで視聴が可能です。2007年からはアーカイブスで保存されているテレビ番組の詳細な情報がウェブサイトで公開され、利用者は視聴可能な番組の保存状況を把握しやすくなりました。

デジタルリマスタリング

また、収蔵されている映像や音源にはデジタルリマスタリングが施され、当時の番組の雰囲気をそのままに伝える努力がなされています。この技術は2000年に放送された『よみがえる新日本紀行』で初めて紹介され、以降多くの番組に適用されています。加えて、鶴岡支局や浜松支局の分室も設けられ、放送に活用されていない資料が適切に管理されていることも特筆すべき点です。

アクセスと開館情報

NHKアーカイブスへは、JR京浜東北線の川口駅や西川口駅からアクセスできます。バスの利用や徒歩で、することが可能です。開館時間は9:30から17:30までで、毎週月曜日に休館し、年末年始も閉館します。入館料は無料ですが、来館前に最新の情報を確認することが推奨されます。

参考

アーカイブスは、未来の世代に貴重な放送資料を伝える重要な役割を担っており、その情報は様々な媒体を通じて広がっています。過去の番組を振り返る資料館としてだけでなく、新たな作品制作のための素材の宝庫としても機能しているNHKアーカイブスは、多くの人々にとっての重要な文化遺産となっています。

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