NHK下関支局

NHK下関支局（エヌエイチケイしものせきしきょく）は、山口県下関市豊前田町に所在するNHK山口放送局の地域拠点です。具体的な所在地は、下関市豊前田町3丁目3番1号、海峡メッセ下関の5階に位置しています。主な役割として、下関市をはじめとする関門地域における取材活動や報道業務を担当しています。

この支局の歴史は、かつて独立した放送局であったNHK下関放送局の時代にさかのぼります。昭和31年（1956年）6月には、NHK下関放送局としてラジオ放送の運用を開始しました。当時のラジオ第1放送にはJOUI、ラジオ第2放送にはJOUUという固有の呼出符号（コールサイン）が付与されていました。その後、放送設備の拡充が進み、昭和37年（1962年）には下関放送会館が開設されます。さらに昭和45年（1970年）にはテレビジョン（UHF）放送も開始されるなど、地域の中核放送局としての機能を確立していきました。昭和57年（1982年）11月1日には、ラジオの呼出符号が変更され、ラジオ第1はJOUIからJOUQに、ラジオ第2はJOUUからJOUZとなりました。

しかし、昭和59年（1984年）には、NHK全体の組織改革の一環として制作部が廃止されました。この頃まで、下関放送局にはディレクターや記者、アナウンサーなどが常駐し、独自番組の制作を行っていましたが、この組織再編によりその体制は大きく変化しました。そして、昭和63年（1988年）7月22日には、再びNHKの組織改革が行われ、下関放送局は独立した放送局としての地位を終え、NHK下関支局へと名称を改めました。これにより、NHK山口放送局の管轄下にある地域支局となり、放送業務の中心は山口放送局へと移管されていきました。

物理的な施設面でも変化がありました。昭和37年に開設された下関放送会館は施設の老朽化が進んだため、平成8年（1996年）に閉鎖され、その機能は現在の海峡メッセ下関内に移転しました。

放送技術の変遷に伴い、支局の設備運用にも変化が生じました。平成14年（2002年）には、かつての独立放送局時代に付与されていた呼出符号であるJOUQ（ラジオ第1）とJOUZ（ラジオ第2）が廃止されました。また、放送のデジタル化の波を受け、平成18年（2006年）10月1日には下関地区で地上デジタル放送が開始されました。そして、平成23年（2011年）7月24日をもって、長らく利用されてきたアナログ放送はその役割を終え、停波となりました。

業務内容の一部変更も行われています。地域におけるNHKの受信料に関する問い合わせや受付業務は、平成30年（2018年）11月30日をもって下関支局での窓口対応を終了しました。現在は効率的な業務運営のため、これらの業務はNHK山口放送局にて一括して受け付けています。

現在のNHK下関支局は、前述の通り、関門地区の報道拠点としての役割を担っています。また、過去の放送局としての機能の一部は、下関地区におけるNHK放送波の中継点として引き継がれています。現在、下関地区で受信できる主なNHKの放送波は以下の通りです。

ラジオ第1放送：1026kHz、出力100Wで送信されています。
ラジオ第2放送：1359kHz、出力100Wで送信されています。
FM放送：83.1MHz、出力50Wで送信されています。FM放送は開局当初からNHK山口放送局の管轄となっており、下関局には固有の呼出符号は与えられていません。
総合テレビ：デジタル放送は16チャンネル、出力100Wです（リモコンIDは1）。アナログ放送は39チャンネル、出力1kWでしたが、平成23年7月24日に停波しました。
* 教育テレビ：デジタル放送は13チャンネル、出力100Wです（リモコンIDは2）。アナログ放送は41チャンネル、出力1kWでしたが、こちらも平成23年7月24日に停波しました。

支局が所在する海峡メッセ下関は、JR下関駅や海峡ゆめタワー、下関港国際ターミナルなどの近隣施設に囲まれた場所にあります。

かつては独立した地域放送局として番組制作も行っていたNHK下関放送局は、組織再編を経て現在は山口放送局管轄の支局として、関門地区の報道活動を中心に地域への情報提供を続けています。

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