NHK新人歌謡コンテスト
NHK新人歌謡コンテストの概略
NHK新人歌謡コンテストは、日本放送協会によって主催された新人歌手のための音楽祭で、1991年から1997年にかけて開催されました。この音楽祭は、デビューしてから1年以内（後に3年まで延長）の歌手を対象にしています。他の歌謡祭とは異なり、コンテスト形式で行われ、歌唱力に優れた新しい才能を発掘し、育成することを目的としていました。
最初は歌唱力の向上を目的として始まりましたが、歌手にとってのメリットが少なかったために、その対象がデビュー前の歌手に拡大されたこともありました。コンテストはテープ審査やスタジオ審査を経て、選ばれた歌手がNHKホールの舞台に立ちます。ここでは公開審査が行われ、そこから上位3名が最終決戦へ進出します。この決戦では異なる曲を披露し、最終的にグランプリが決まります。
グランプリ受賞者の特典と影響
当初のグランプリ受賞者にはラジオ番組への出演権が与えられましたが、1994年からは『NHK紅白歌合戦』への出場権が特典として追加されました。これにより、このコンテストは演歌歌手のための真剣勝負の場へと変貌していきました。1997年には、決勝出場者全員が演歌歌手という結果になりました。
コンテストの過去のグランプリ受賞者は多くがその後も音楽界で活躍しています。一方で、1993年の受賞者井上りつ子は引退してしまいましたが、初代グランプリの諸岡菜穂子は、歌手活動を続けた後、紀行のレポーターなどの活動を行っています。
本選審査の仕組み
本選の審査方式は、1991年から1993年までは、全出場者が1曲ずつ歌った後に審査を行い、上位3名が決勝審査へ進むというシンプルな方式でした。決勝では、別の曲を歌っていただき、審査員の挙手投票によってグランプリを決定しました。
1994年から1997年までは、ノックアウト方式が導入され、出場歌手それぞれの歌唱が終わるごとに採点されました。この方式では、上位3人が決勝に進出することができ、得点で下位に転落した場合はその時点で退場しなければなりませんでした。決勝審査では再び異なる曲を披露し、再度採点が行われて優勝者を選出します。
司会者たち
このコンテストには複数の司会者が起用されました。初期には井上順や大塚範一が登場し、後には榊原郁恵や堺正章、いしだあゆみ、愛川欽也などが司会を務めました。
歴代グランプリ受賞者
このように、NHK新人歌謡コンテストは新たな歌手を発掘し、彼らの才能を広める重要な場となりました。最終的には、数多くの歌手がこのコンテストから生まれ、音楽界での地位を確立しています。
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