NHK菖蒲久喜ラジオ放送所

NHK菖蒲久喜ラジオ放送所について

NHK菖蒲久喜ラジオ放送所は、埼玉県久喜市に所在するNHKのラジオ送信所です。日本国内最大級のAMラジオ送信所として知られ、広大な敷地内には、ラジオ第1放送とラジオ第2放送の送信設備が設置されています。

歴史

この放送所の歴史は、1928年に東京・愛宕山にあった東京放送局の送信設備が埼玉県川口市に移転したことに始まります。その後、度重なる出力増強のため、現在の久喜市に再移転しました。

• - 1928年：東京放送局送信設備を「愛宕ラジオ放送所」（東京都港区）より「新郷ラジオ放送所」（埼玉県川口市）へ移転。
• - 1937年：第一放送の「川口ラジオ放送所」（埼玉県川口市）開設。
• - 1940年：第二放送の「鳩ケ谷ラジオ放送所」（埼玉県川口市）開設。
• - 1963年：第1放送の放送所が再び「川口ラジオ放送所」となる。
• - 1982年：ラジオ第1放送設備を「川口ラジオ放送所」より移転、同時に出力を100kWから300kWに増力。
• - 1983年：ラジオ第2放送設備を「鳩ヶ谷ラジオ放送所」より移転、同時に出力を300kWから500kWに増力。
• - 2002年：予備放送所を川口市からさいたま市桜区に新設移転し、「新開ラジオ放送所」を設置。

特徴

AMラジオ放送の送信所としては、日本最大規模であり、最大出力を誇ります。その広大な敷地は、旧菖蒲町と久喜市にまたがっていたことから、両地の名前が放送所名に付けられています。また、施設内には職員や警備員が常駐し、夜間は敷地全体が照明で照らされています。

大規模なメンテナンス時には、放送出力を減力したり、平野原送信所にある新開ラジオ放送所から代替放送を行ったりすることがあります。

技術情報

• - ラジオ第2放送は、250kWの送信機2台を直列合成して500kWの出力を実現しています。
• - 送信アンテナの高さは、第1放送が245m、第2放送が215mです。

近年では、電力効率向上のため、送信機を真空管からMOSFETに置き換えるなどのデジタル技術を導入。これにより、消費電力削減と温室効果ガス排出量の低減に貢献しています。

太陽光発電

2012年には、太陽光発電設備が完成し、最大2MWの発電能力を持つようになりました。これにより、晴天時には放送所全体の電力を太陽光発電で賄うことが可能となり、余剰電力は売電されています。

放送範囲と役割

菖蒲久喜ラジオ放送所は、関東・甲信越地方を中心に、約2000万世帯をカバーしています。災害時には、重要な情報伝達手段として、その役割は非常に大きいです。

その他の設備

• - 放送衛星アップリンク設備：NHK-BSやWOWOWの放送衛星へのアップリンク設備を保有。
• - 地上デジタル放送TTL中継所：北関東3県向けの地上デジタル放送中継を行っており、東京スカイツリーに次ぐ重要な拠点となっています。
• - レクリエーション施設：敷地内には野球場とテニスコートがあり、地域住民が利用可能です。

近年の取り組み

近年では、放送設備のデジタル化や太陽光発電の導入など、環境に配慮した取り組みも進めています。また、災害時における放送の継続性を確保するため、バックアップ体制も整備されています。

まとめ

NHK菖蒲久喜ラジオ放送所は、日本最大級のAMラジオ送信所として、長年にわたり重要な役割を果たしてきました。その歴史は、日本のラジオ放送の発展と深く結びついています。現在も、放送技術の進歩とともに、その役割は進化し続けています。

関連情報

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