NIAGARA TRIANGLE Vol.1

NIAGARA TRIANGLE Vol.1

『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』は1976年3月25日に発売された、ナイアガラ・トライアングル（大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次）によるスタジオアルバムの初作品です。本作は、ナイアガラ・トライアングル自体にとって重要な意味を持つだけでなく、日本の音楽史においても特別な位置づけをされているアルバムです。

背景と製作の経緯

1973年、大滝詠一はナイアガラ構想を抱き、ノヴェルティーなココナツ・バンクや自身のポップス、シュガー・ベイブのメロディーを融合させた三位一体の音楽スタイルを目指しました。その後、1974年9月にエレックレコードと契約を結び、1975年には『SONGS』や『NIAGARA MOON』をリリースしました。しかし、エレックレコードが倒産してしまい、新たに日本コロムビアと契約を結ぶことになります。この時、シティー・ミュージックも解散しましたが、大滝はザ・ナイアガラ・エンタープライズを設立しました。

1976年にはラジオ番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』がスタート。伊藤銀次と山下達郎がゲストとして登場し、ここで「トライアングル企画」の提案がなされました。大滝は新たなスタートのために、これまでの三人の音楽活動を形にしたいと考えました。

その結果として、本作『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』が誕生しました。このアルバムは、各シンガー・ソングライターが自らの曲を持ち寄りプロデュースし合う形式で進められました。このスタイルは当時としては新しく、画期的なものでした。

アルバムの収録曲

アルバムには多彩なトラックが収録されています。以下はその内容です：

SIDE A

1. ドリーミング・デイ
2. パレード
3. 遅すぎた別れ
4. 日射病
5. ココナツ・ホリデイ'76

SIDE B

6. 幸せにさよなら
7. 新無頼横町
8. フライング・キッド
9. FUSSA STRUT Part-1
10. 夜明け前の浜辺
11. ナイアガラ音頭

これらの楽曲の中には、後の音楽シーンに強い影響を与えた名曲も多いです。

2013年の配信

2013年3月20日、大滝とナイアガラ・レーベルの楽曲は音楽配信サイトで一斉にリリースされ、本作もオリジナルの11曲が配信されました。

再リリースとCD化

このアルバムは1986年には初めてCD化され、その際にとりわけリミックスが施されました。その後も改訂版やボーナストラック付きの再リリースが行われており、音楽の進化を体現しています。特に、2013年の30周年記念版では、新たなマスタリングが施され、より一層のクオリティを誇る作品として再登場しました。

『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』は、ただの音楽アルバムではなく、大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次という個々のアーティストの魅力を余すところなく伝える重要な作品となっています。彼らの音楽を愛するすべてのファンにとって、持っていて損のない一枚です。

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