NKTニュース

NKTニュース

日本海テレビジョン放送（NKT）が、かつて制作・放送していたローカルニュース番組の名称です。正式には『NKTニュース』（エヌケイティー・ニュース）として親しまれていました。主に平日の午前帯に編成される定時ニュースとして、鳥取県および島根県の最新情報を伝えていました。

この番組は、長年にわたり日本海テレビのニュースラインナップの一角を占めていましたが、2013年4月30日をもってその歴史に幕を下ろしました。放送終了後の2013年5月1日からは、全国ニュースである『NNNストレイトニュース』のローカルパートに内包される形へと移行し、独立した番組としての放送は終了しました。

番組が終了する直前の放送時間は、月曜日から金曜日の午前11時40分から11時45分までの5分間でした。この時間帯は、実質的にNNNストレイトニュースのローカル差し替え枠として位置づけられており、全国ニュースの中から地域情報へスムーズに移行する形式が取られていました。

番組の歴史を振り返ると、特に1980年代まで使用されていたオープニングテーマ曲が特徴的でした。この時代のテーマ曲には、アメリカの作曲家ファーディ・グローフェが手掛けた『ミシシッピー組曲』の中から、「Huckleberry Finn（ハックルベリー・フィン）」の冒頭部分が採用されていました。クラシック音楽を基調としたこの楽曲は、当時のニュース番組としては異彩を放つもので、視聴者に強い印象を与えていたと考えられます。

また、過去には他系列の全国ニュースを内包していた時期もありました。例えば、1989年9月末まで、テレビ朝日制作の『ANNニュースライナー』が当番組の枠内で放送されていました。この時期の放送は独特の構成で、まずローカルニュースが午前11時44分45秒まで放送され、その後30秒間のCMが挟まれました。全国ニュースである『ANNニュースライナー』は、オープニング映像をネットせずに本編のみが放送され、その終了と同時に『NKTニュース』のエンディング映像が流れるという流れでした。これは、NNN系列である日本海テレビが、過去にANN系列とのクロスネット局であった時代の名残とも言える放送形態です。

『NKTニュース』は、日本海テレビの地域ニュース番組として、その後の『ニュース日本海』シリーズへと続く礎を築きました。系列には、『ニュース日本海シリーズ』のほか、『ワイドニュース日本海』、『ニュース日本海プラス1』、『Newsリアルタイム日本海』、そして現在の『ニュースevery日本海』など、時代と共に形を変えながら地域に密着した情報提供を続けている番組群があります。『NKTニュース』は、これらの番組の歴史の一部を形成する重要な存在でした。

このように、『NKTニュース』は、日本海テレビにおける平日の定時ニュースとしての役割を終えましたが、その番組形態や内容は、その後の日本海テレビのニュース編成に影響を与え、地域情報発信の歴史に名を刻んでいます。

もう一度検索