NORD (ジャパノイズ・グループ)

NORD（ノール）は、日本のノイズミュージックシーンにおいて、その黎明期から重要な役割を果たしてきたデュオです。彼らは、日本で初めてノイズミュージックのフルアルバムをリリースしたグループとしても知られています。グループ名のNORDは、フランス語で「北」を意味し、「音楽の極北」を目指すという強い意志が込められています。

結成と分裂
NORDは、1980年代初頭、片山敏と及川洋によって東京で活動を開始しました。当時、同じくノイズミュージックの先駆者であるメルツバウと同時期に活動を開始したことは特筆に値します。しかし、1983年には、片山が率いるNORDと及川が率いるNORD（実質的には及川のソロプロジェクト）に分裂します。その後、片山は伊藤真と活動を共にし、20年間にわたりライブと制作活動を展開しました。ピナコテカからリリースされた作品と及川のソロ名義の作品以外は、すべて片山と伊藤によるNORD名義の作品です。

東京ノイズシーンにおける存在
ノイズミュージック専門誌『電子雑音』の編集長、田野氏は、NORDを東京のノイズユニットの双璧と評し、特に片山NORDのライブには頻繁に足を運んでいたと言います。このことからも、彼らが当時のノイズシーンにおいて重要な存在であったことが伺えます。

メルツバウとの関係
NORDは、同じく東京ノイズシーンを代表する存在であるメルツバウ（秋田昌美）と頻繁にコラボレーションを行いました。また、横浜市民ギャラリーでのアートとノイズ演奏のコラボレーションでは、メルツバウ、NORDに加え、K.K.Null（当時Null）も参加しています。さらに、秋田昌美のZSFレーベルからは、当時の音源がリリースされていました。

代表作品
NORDの代表的な作品には、以下のものがあります。

NORD (ピナコテカ・レコード)
L∴S∴D∴ (L∴S∴D∴ Records) - 及川NORD
NG Tapes (L∴S∴D∴ Records) - 及川NORD
Ego Trip (L∴S∴D∴ Records) - 及川NORD
「NORD／Elecronic Inisiaetion」(Kinky Disc)
「NORD／December Calling」(japanoise.records)
「Merzbow with NORD」(ZSF)
「Nord Live Materials」（Vanilla Records）
「Come Again Ⅱ」(VA.Silent Records,USA)

これらの作品は、NORDの音楽的な進化と実験的なアプローチを物語っています。特に、及川NORD名義の作品は、ソロプロジェクトとしての彼の音楽性を追求したものであり、NORDの音楽的幅広さを示しています。

外部リンク
NORD profile

NORDは、日本のノイズミュージックシーンの形成に大きく貢献したグループであり、その音楽は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼らの実験的で先鋭的な音楽は、ノイズミュージックの可能性を追求し、新たな音楽表現の道を切り開いたと言えるでしょう。

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