NPO birth

NPO birth（NPOバース）

東京都西東京市に拠点を置く特定非営利活動法人NPO birthは、地域に根差した自然環境の保全活動を通じて、人間と自然が調和して暮らせる社会の実現を目指す団体です。1997年12月24日に任意団体としてその歩みを始め、2001年1月7日には特定非営利活動法人としての資格を取得しました。設立当初からの理念に基づき、身近な自然環境を大切に守り育むことで、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としています。

NPO birthの活動は日本全国に及び、特に都市部における公園や緑地を主要なフィールドとしています。これらの場で展開されるのは、「みどりのまちづくり」と称される多様な取り組みです。これは、単に緑を増やすだけでなく、そこに暮らす生き物の生態系を守り、利用する人々が自然と触れ合い、学び、憩うことができる環境を整備することを目指しています。活動の範囲は、環境コンサルティングによる生態系の保全、環境教育や自然体験プログラムの提供、市民ボランティア活動の支援を通じた市民協働の推進、そして地域の様々な主体との連携による地域課題の解決プラットフォームづくりなど、多岐にわたります。

組織内部は、自然環境マネジメント部、レンジャー・環境教育部、市民協働コーディネート部、コンサルティング事業部の四つの主要な事業部門で構成されています。これらの部門がそれぞれの専門性を活かしながら、あるいは連携して活動を展開することで、複雑な現代社会における自然環境問題や地域コミュニティの課題に対応しています。

NPO birthの最も特徴的な点は、一つの団体の中に「市民活動団体」「行政の代行者」「経営事業体」という三つの異なる側面を併せ持っていることです。市民団体としての立場からは、草の根レベルでの自然保護活動や市民参加の促進を行います。一方、東京都をはじめとする自治体から公園や緑地の指定管理者として委託を受けることで、行政のパートナーとして公共空間の管理運営を担っています。さらに、コンサルティング事業などを通じて、専門的な知見を活かした経営事業体としての側面も持ち合わせています。このトリプルヘッダーともいえる独自の立ち位置が、多様な主体との連携を可能にし、より効果的で包括的な活動を実現する基盤となっています。

団体の歴史は以下の通りです。

1997年: 任意団体として設立。「みどりの中間支援組織」としての活動を開始。
1998年: (財)日本野鳥の会が推進する里山重点事業に加わり、研究グループ「里山タスクグループ」の事務局運営を担当。
1999年: 愛知県瀬戸市で開催された海上の森保全シンポジウムの企画に参画。
2001年: 特定非営利活動法人格を取得。同年、地球環境パートナーシッププラザのNPOインキュベート事業に採択され、米国サンフランシスコにおける環境保全と中間支援組織の取り組みに関する調査を実施。その成果をまとめた報告書を発行。
2005年: 愛知万博の地球市民村において「まちに地みどり館」を出展。国際的なイベントで活動を紹介。
2006年: 東京都立狭山丘陵グループ公園の指定管理者として管理運営を開始。これにより、行政からの委託事業が本格化。
2010年: 生物多様性条約第10回締約国会議（COP10）に関連した展示に出展。
2011年: 東京都立武蔵野グループ公園の指定管理業務を開始。
2014年: 「東京都の緑を守る将来会議(NPO Green Connection Tokyo)」の事務局運営を受託。
2016年: 東京都立多摩部グループ公園および西東京市内の公園グループの指定管理を開始。
2021年: 東京都立葛西海浜公園の指定管理業務を開始。
2023年: 大阪府守口市のよつば未来公園、および八王子市の複合公共施設「未来テラス」の統轄マネジメント業務を開始。活動エリアと事業領域を拡大。

このように、NPO birthは設立以来、社会の変化やニーズに対応しながら、着実に活動の幅と影響力を広げてきました。身近な自然環境の保全を起点としつつも、環境教育、市民参加の促進、行政連携、事業経営といった多様な側面からアプローチすることで、人と自然が豊かに共存できる未来社会の実現を目指しています。そのユニークな組織運営と実践的な活動は、現代における環境保護と地域づくりを結ぶ重要なモデルの一つと言えるでしょう。

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