NWA (プロレス)

ナショナル・レスリング・アライアンス（NWA）

ナショナル・レスリング・アライアンス（NWA）は、アメリカ合衆国の著名なプロレスプロモート連盟であり、1948年に設立されました。その設立は、アイオワ地区のプロモーターであるピンキー・ジョージの主導のもと、数名のプロモーターたちによって行われました。NWAは、世界タイトルの認定を行うことで、プロレスの興行を復活させ、各地のプロモーター間での競争力を強化することを目的としていました。

歴史の歩み

発足と黄金期

NWAの結成当初、ピンキー・ジョージはアメリカ中西部における統一世界王座の構想を掲げていましたが、すぐに加盟プロモーターが増加し、サム・マソニックに主導権が移行しました。1960年代から1970年代にかけては、マソニックの指導のもとでNWAは黄金期を迎えました。加盟団体はアメリカ国内にとどまらず、カナダ、メキシコ、オーストラリア、日本などにまで広がりました。また、NWAのフラッグシップタイトルである世界ヘビー級王座は、プロレス界で最も権威のあるタイトルとされました。

衰退期

その後、1980年代に入ると、プロレス界は変革の波に飲まれ、WWF（ワールド・レスリング・フェデレーション）の台頭や経済状況の影響を受けて、NWAの経済基盤は弱体化しました。特に、WWFが資金力とメディア展開を駆使して全国的な勢力を拡大するにつれて、NWAは苦境に立たされました。また、NWA内部の権力バランスが崩れ、元会長のフリッツ・フォン・エリックが独立を選択する事例も発生しました。1988年には、NWAの経営母体であったジム・クロケット・プロモーションズが経済的困難に陥り、最終的にWCW（ワールド・チャンピオンシップ・レスリング）が発足しました。

衰退後の再編

WCWの脱退後もNWAは存在していましたが、その威厳は薄れ、マイナーな団体の一つとなってしまいました。1994年のECWでは、王座を獲得したシェーン・ダグラスがそのタイトルに対して価値がないと述べ、ベルトを投げ捨てる事件が起こり、これがNWAのブランドに対する信頼をさらに損なう結果となります。2002年にはTNA（トータル・ノンストップ・アクション）がNWAとの提携を持ち、一定の成功を収めましたが、2007年に提携が解消され、各団体は独自路線を歩むことになります。

現在のNWAと日本との関係

2017年には、ロックバンド「スマッシング・パンプキンズ」のビリー・コーガンがNWAの商標やベルトを所有するようになり、団体としての改革が進められました。以降、NWAは個人のプロモーションとして再編され、NWAタイトルの復活が図られました。特に、日本との関係においては、1967年に日本プロレスが加盟し、その後も全日本プロレスや新日本プロレスとの間にさまざまな交流がありました。近年では日本国内での興行が行われ、再び日本のファンの前にNWA王者が姿を見せる機会も増えてきているようです。

NWAのシステム

NWAは、加盟したプロモーターに対してさまざまな特権を与えます。具体的には、NWA認定王者の招聘や、外国人レスラーを引き入れることが可能です。ただし、加盟条件には地域ごとに1人のプロモーターに制限されるなどのルールも存在します。これにより、NWAの権威は一層強固なものとなっています。現在も様々な地域でNWAブランドのタイトルが存在し、その歴史は続いています。

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