Nero Burning ROM

Nero Burning ROMについて

Nero Burning ROM（ネロ・バーニング・ロム）は、ドイツのNero AGによって開発された、広く利用されているライティングソフトウェアです。初めてリリースされたのは1997年で、以来、CDやDVDの作成、データバックアップ、メディアのトランスコードなど、多岐にわたる機能を提供してきました。2020年度版が現在の最新バージョンとなります。また、日本国内でのライセンス販売は株式会社ジャングルが手掛けています。

名前の由来

「Nero Burning ROM」という名前は、複数の意味が掛け合わさっています。「Nero」はすでにソフトウェア名に使われているだけでなく、かつてのローマ皇帝ネロをも指しています。また、「Burning」はCD-Rなどのメディアを作成する行為を表す英語で、日本語でも「焼く」という表現が使われます。そして、「ROM」は一般的に読み出し専用メモリを意味しますが、ドイツ語ではローマ（Rome）を意味する「Rom」とも解釈されます。このように、「ローマを焼くネロ」と「ROMを焼くNero」という二重の意味を一つの名称に込めています。

機能の進化

Nero Burning ROMは、バージョンのアップデートにつれて多くの機能を追加してきました。バージョン5.5以前は基本的なライティング機能を提供していましたが、バージョン6.0以降は、動画編集ソフトのNero VisionやDVD再生ソフトのNero ShowTime、さらにはデータバックアップソフトのNero BackItUpといった追加ツールが統合され、より総合的なソフトウェアとなりました。7.0ではリモコン操作が可能なNero Home、UPnP対応メディアサーバーのNero MediaHomeなど、新たな機能も追加されました。

更に、バージョン8.0からはAVCHDフォーマットの作成にも対応し、追加プラグインを導入することでBlu-rayやHD DVDメディアの作成や再生も可能となるなど、利便性が大幅に向上しています。

開発へのアプローチ

Neroのソフトウェア開発の際には、他社からの買収やフリーウェアの開発者の招致が行われています。例えば、InCDという機能は、以前は米Prassi Softwareの製品であったabCDを買収し、Neroシリーズに取り込まれたものです。また、Nero Recodeは、DVD Shrinkの開発者によって作られたものであり、その他にも多くのコーデックやプラグインが外部の開発者から提供されています。

Linux版の展開

Nero Burning ROMには、Linux専用の版であるNero Linuxも存在します。現在の最新バージョンはNero Linux 4で、以前のバージョンではWindows版のシリアル番号を流用することも可能でしたが、Nero Linux 3以降は独立した製品としてリリースされています。

バージョンの歴史

Neroシリーズの進化を追うと、各バージョンにはさまざまな機能が追加されてきました。以下にいくつかの重要なバージョンとその機能を示します。

• - Nero 98 (3.8.1.0): 日本語対応版の最初のバージョン
• - Nero 6 (6.0.0.7): DVD再生やバックアップ機能を追加
• - Nero 8 (8.1.1.1): Blu-ray対応を含む多様な機能を追加
• - Nero 12 Platinum: Windows 8対応、Blu-ray 3D Discの再生や編集機能を備えています。

Nero Burning ROMは、長い歴史とともに進化し続けているライティングソフトウェアであり、家庭やビジネスのニーズに応える多機能を兼ね備えています。

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