NicoSound(ニコサウンド)は、株式会社ドワンゴが運営する動画共有サービス「
ニコニコ動画」で提供されていた機能の一つです。
2012年5月1日に開始された「
ニコニコ動画:ZERO」の機能として登場し、ユーザーが動画の音声部分をダウンロードできるという画期的なサービスでした。しかし、
2014年12月17日をもってサービスは終了しています。
NicoSoundの概要
NicoSoundは、
ニコニコ動画の公式機能として、動画投稿者(クリエイター)が許可した作品に限って、その動画の音声部分を無料でダウンロードできるサービスでした。対象となるのは、
ニコニコ動画のPCブラウザ版、およびAndroid端末です。
PCでの利用方法:
対象動画の場合、
ニコニコ動画:ZEROの動画プレーヤー「ZeroWatch」の再生画面右上にある「テレビちゃんボタン」をクリックすると、「音楽ダウンロード」ボタンが表示されます。このボタンをクリックすることでダウンロードが開始されます。ただし、ダウンロードが始まるまでに数分かかる場合もありました。
2012年7月17日からは、原宿バージョンでも利用可能になり、動画プレーヤー下部の「音楽ダウンロード」ボタンからダウンロードできるようになりました。
Android端末での利用方法:
Android端末の場合は、動画の説明文にある「音楽ダウンロード」ボタンをクリックすると、ダウンロードが開始されます。ダウンロードされた音楽ファイルは、Android端末の音楽プレーヤーアプリでそのまま聴くことができます。
機能と特徴
ファイル形式:
ダウンロードされる音声ファイルは、DRM(
デジタル著作権管理)フリーの
AAC(Advanced Audio Coding)形式です。また、メタデータとして以下の情報が付与されます。
曲名:動画のタイトル
アーティスト名:動画投稿者のユーザー名
アートワーク(ジャケット写真):動画のサムネイル画像
アルバム名:動画のタイトル
著作権管理団体との包括契約:
NicoSoundの提供開始にあたり、
ニコニコ動画は、一般社団法人
日本音楽著作権協会(JASRAC)、株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)、および株式会社イーライセンスとの間で、楽曲の利用許諾に関する新たな包括契約を締結しました。これにより、「演奏してみた」や「歌ってみた」といった、これらの団体が管理する楽曲を利用した作品も、ユーザーが無料でダウンロードすることが可能になりました。
楽曲が著作権信託されている場合は、ダウンロード数をこれらの団体に報告し、その情報をもとに楽曲利用料が権利者に分配される仕組みとなっていました。
動画投稿者の制限:
自分が投稿した動画の音声を「ダウンロードOK」に設定できるのは、クレジットカードや携帯キャリア決済を利用したプレミアム会員のみでした。一般会員や、WebMoneyなどの90日チケットを利用したプレミアム会員は、この機能を利用できませんでした。これは「他者の権利侵害を防ぐため」と説明されていました。
NicoSoundは、
ニコニコ動画のコンテンツをより手軽に楽しめるようにする革新的な機能でしたが、残念ながらサービスは終了しました。
NicoSound - ウェイバックマシン