No Control

THE BOOMは、1999年5月12日に8枚目のアルバム『No Control』をリリースしました。前作『TROPICALISM -0°』(1996年)以来、東芝EMIへの移籍後初のアルバムであり、シングル「大阪でもまれた男」と同時発売されました。

これまでのTHE BOOMは、スカやサンバなど特定のジャンルに特化したアルバムを多く発表していましたが、本作は多種多様なジャンルを収録した異色作となっています。そのタイトルには、そういった「制御不能」な状態という意味が込められています。

アルバムには、活動復帰シングル「月に降る雨」のようなAOR調のラブソング、久しぶりのスカである「大阪でもまれた男」、中国の伝統楽器などを多用し、レコーディングに約1年を費やした「墓標」、リスペクトする実在アーティストの実名を歌詞に多用したポエトリーリーディングの「敬称略」など、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

ジャケットに大きく写っている耳は、ギター担当の小林孝至の耳です。

「敬称略」で伏せ字になっている人物は小室哲哉です。ライブでは伏せずに、歌詞を変えて歌われることもあります。アルバム発売の際、曲中に登場する他の人物からは使用の許可を得られましたが、小室哲哉からは許可を得られなかったことを、宮沢和史がレギュラーラジオ番組『MIYA THE WORLD!!』で語っています。

2005年8月3日にはデジタルリマスター盤として再発売され、全曲がリミックスされました。リミックスは、以下のミキサーが担当しています。

収録曲
1. 墓標
2. 月に降る雨
3. SHOOT ME DOWN
4. 大阪でもまれた男
5. 敬称略
6. 不自由な運命の中で
7. ねんねこよ
8. Electronic Parade
9. オキナワいつまでも
10. ありがとう
11. ごはんがたけた
12. 故郷になってください
13. 月に降る雨 -acoustic live version-（2005年再発盤のみ収録）

楽曲解説
墓標：2005年再発盤では、三線のイントロ前に収録されていたスクラッチノイズがカットされています。
月に降る雨
SHOOT ME DOWN
大阪でもまれた男：間奏に浜村淳のMCが挿入されています。2005年再発盤では、スネアドラムの音が差し替えられ、各楽器も大幅にリミックスされています。
敬称略：THE BOOMがリスペクトした数々のアーティストの名前が登場します。2005年再発盤では、スネアドラムの音が差し替えられており、エフェクトで消されていた一部人物の名前を聞く事ができます。
不自由な運命の中で：シングル「月に降る雨」のカップリング曲です。
ねんねこよ
Electronic Parade：湾岸戦争を暗示している激しい社会風刺の曲で、主題的には初期の楽曲に近いと言えます。
オキナワいつまでも：好転しない沖縄の状況を『島唄』へのアンサーソングという形で歌っています。2005年再発盤では、エレクトリックギターの音が大きくミックスされています。
ありがとう：2005年再発盤では、リズムギターのチャンネルが左右入れ替わり、エコーが排除されたリミックス・バージョンとなっています。シングル「故郷になってください」のカップリング曲です。
ごはんがたけた：楽器、ボーカルを含め、メンバーが一切関わっていない異色の合唱曲です。
故郷になってください
* 月に降る雨 -acoustic live version-：2005年再発盤のみに収録されたボーナス・トラックです。

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