O嬢の物語 (映画)

映画『O嬢の物語』について

『O嬢の物語』（原題：Histoire d'O）は、1975年に公開されたフランス映画であり、ポーリーヌ・レアージュによる同名のSM文学小説を原作としています。監督はジュスト・ジャカンが務め、主人公のO嬢にはモデル出身のコリンヌ・クレリーが抜擢されました。また、ウド・キアがO嬢の恋人ルネ役で出演しています。

この映画は、美しい城を舞台に、愛と支配、そして倒錯した人間関係を描いています。原作の持つ独特の世界観を忠実に再現し、公開当時から大きな話題となりました。

あらすじ

物語は、主人公のOが恋人ルネと共にロワッシー館に足を踏み入れるところから始まります。そこでOは、全裸にされ、皮手錠と首輪を付けられるという屈辱的な体験をします。着衣の男から愛撫を受け、鞭で打たれるという行為は、Oを支配下に置くための儀式のようです。

ルネはただそれを見守るだけで、Oを庇うことはありません。時に、ピエールという別の男がOを鞭打ちます。ある時には、全裸のまま紅茶を飲んでいるOの元に、ルネと見知らぬ男が現れ、3人で複雑な関係に陥ります。数週間後、Oはアパルトマンに戻り新たな生活を始めますが、ルネの命令で全裸で客を迎えるなど、依然として支配下に置かれています。

その後、ステファン卿という人物が紹介され、Oはルネの命令に従い、彼の支配下に身を委ねることになります。

キャスト

コリンヌ・クレリー（O嬢）
ウド・キア（ルネ）
アンソニー・スティール（ステファン卿）
ジャン・ギャヴァン（ピエール）
クリスチアーヌ・ミナッツォリ
マルティーヌ・ケリー
リ・セルグリーン
アラン・ヌーリー

製作の背景

監督のジュスト・ジャカンは、この作品を「非常に現代的な愛の物語」として捉え、長年温めていた企画だったと語っています。また、前作『エマニエル夫人』と比較して、本作では南仏やパリ近郊の城で撮影されたことで、より美しい映像になったと述べています。衣装はタン・ジュディセリが担当し、製作費は200万ドルと『エマニエル夫人』の4倍に上りました。

コリンヌ・クレリーは、映画興行主の夫のつてでオーディションに参加し、300人の中からジャカン監督に選ばれました。当時25歳で、息子がいた彼女は、本作が女優デビュー作となりました。

撮影は、ロワール河畔の城を中心に複数の城で行われ、製作費の多くが城の改修と衣装に費やされたそうです。

その他

映画には、BDSMのシンボルとして用いられる「O嬢のリング」が登場します。

続編として『O嬢の物語・第二章』がありますが、スタッフ・キャストが総入れ替えで、原作にないエピソードが中心のため、関連性は薄いです。

映画には、レズシーンや男女のセックスシーンがありますが、特にO嬢を演じるコリンヌ・クレリーの全裸と、着衣の男との絡みが印象的です。

関連情報

O嬢の物語 - allcinema
O嬢の物語 - KINENOTE
Histoire d'O - オールムービー（英語）
* Histoire d'O - IMDb（英語）

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