O.N.J.グレイテスト・ヒッツ Vol.2

O.N.J.グレイテスト・ヒッツ Vol.2

『O.N.J.グレイテスト・ヒッツ Vol.2』（原題：Olivia's Greatest Hits Vol. 2）は、1982年にリリースされた、シンガーソングライターであるオリビア・ニュートン＝ジョンのキャリアを総括するベスト・アルバムの一つです。前作『O.N.J.グレイテスト・ヒッツ』（1978年）に続く第2集として位置づけられています。

概要

このアルバムの最も注目すべき点は、それまでに発表された代表曲の数々に加えて、「ハート・アタック」と「タイド・アップ」という2曲の新録音源が、この作品のために特別に収録されたことです。これにより、単なる既発曲の寄せ集めではない、新たな魅力を加えたベスト盤となっています。

しかし、本アルバムのリリース形態において特筆すべきは、販売された国や地域によって収録曲やその順序に顕著な違いが見られる点です。これは、各国・地域の音楽市場の状況やヒット曲の変遷に合わせて内容を調整したためと考えられます。日本では、国際的に展開された「インターナショナル盤」の内容に沿った形で発売されました。

各国盤の差異と収録曲

『O.N.J.グレイテスト・ヒッツ Vol.2』は、そのタイトルの有無を含め、世界各国で異なるバージョンが存在します。主な盤の種類と特徴は以下の通りです。

インターナショナル盤

世界市場向けに広く流通した基本的な盤です。このバージョンは、多くの国で『Olivia's Greatest Hits Vol. 2』としてリリースされました。

規格番号例:
Interfusion / Festival Records: RML-52015
東芝EMI（日本盤）:
LP: EMS-91045
CD: CP35-3046
ユニバーサルミュージック（再発盤の一部として）: UICB-1017（『40/40〜ベスト・セレクション』Disc 2に収録）

日本で発売されたアルバムは、このインターナショナル盤の収録曲構成を採用しています。長年にわたり、日本のファンにとっては事実上の標準盤として親しまれてきました。

オーストラリア盤『Olivia's Greatest Hits Vol. 3』

オリビアの出身国であるオーストラリアでは、『Olivia's Greatest Hits Vol. 2』ではなく、『Olivia's Greatest Hits Vol. 3』という異なるタイトルでリリースされました。さらに、収録曲のリストは共通する部分が多いものの、特定の楽曲の配置が他の盤と異なっています。例えば、「愛の炎（Please Mr. Please）」が他の盤とは異なり4曲目に収録され、「愛すれど悲し（Have You Never Been Mellow）」や「ムーヴ・オン・ミー（Move On Me）」といった楽曲が、その後に続く形で収録位置が後方に変更されています。これは、オーストラリアでの各楽曲のヒット状況やファンからの支持を考慮した独自のエディットであると考えられます。

イギリス盤『Olivia's Greatest Hits』

イギリスでリリースされた盤は、『Olivia's Greatest Hits』とされており、タイトルに「Vol. 2」という表記が含まれていませんでした。しかし、その収録内容は他の多くの国の『Vol. 2』に相当するものであり、実質的な続編ベストアルバムとして機能しました。規格番号はEMIよりEMTV-36として発売されています。

アメリカ盤

アメリカ合衆国でリリースされた盤も、インターナショナル盤に近い内容であったとされます。MCAレコードより規格番号MCA-5347として発売されました。

まとめ

『O.N.J.グレイテスト・ヒッツ Vol.2』は、オリビア・ニュートン＝ジョンが1980年代初頭に到達した人気絶頂期を反映したベストアルバムであり、特に新曲の収録はファンにとって大きなサプライズでした。また、各国によって異なるリリース形態や収録曲構成は、当時の国際的な音楽ビジネスの多様性を示す興味深い事例と言えます。これらの異なるバージョンを通して、彼女のワールドワイドな人気と、それぞれの市場に合わせた戦略の存在がうかがえます。

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