OASIS (組織)
OASIS（Organization for the Advancement of Structured Information Standards、構造化情報標準促進協会）は、電子ビジネスにおける標準規格の開発、統合、および普及を目的とした非営利の国際コンソーシアムです。情報技術分野における有力な標準化団体の一つとして、幅広い活動を展開しています。
OASISは、1993年にSGMLツールのベンダー団体「SGML Open」として設立されました。当初の目的は、SGMLの普及を促進するための研修活動でしたが、実体管理に関する仕様や断片の交換、管理に関する技術的な活動も並行して進められていました。1998年、ハイテク業界におけるXMLへの移行を受け、SGML OpenはXMLを中心とした活動へと転換し、名称もOASIS Openへと変更しました。この名称変更に伴い、XMLおよび今後の構造化情報標準を包括的に扱うこととなりました。活動の焦点も、XMLの普及促進から技術仕様の開発へと移行し、2000年7月には専門委員会が発足しました。専門委員会による仕様策定と作業進行の手法が確立され、発足当初の5つの専門委員会は、2004年までに70近くまで増加しました。
1999年、OASISは国連のビジネス標準委員会UN/CEFACTから、電子ビジネスに関する新しい仕様を共同で開発する提案を受けました。この共同イニシアチブはebXMLと呼ばれ、1999年11月の最初の会合から3年にわたって開催されました。ウィーンでの最終会合では、残務を両組織間で分割し、調整委員会を通じて作業の完了を調整することで合意しました。2004年、OASISは完成したebXML仕様をISO TC154に提出し、ebXMLは「ISO15000」として承認されました。
2007年現在、OASISには世界100カ国から600以上の団体と個人会員を含め、5,000人以上が参加しています。主な参加団体には、BEAシステムズ、Electronic Data Systems、Primeton、IBM、SAP、サン・マイクロシステムズなどが名を連ねています。
OASISで検討される仕様の対象分野は多岐にわたります。Webサービスとサービス指向アーキテクチャ（SOA）、電子商取引、ドキュメント処理アプリケーション、XML処理などが含まれます。OASISはこれらの分野で、相互運用性を高めるための標準仕様策定に注力しています。
OASISによって標準化された主な仕様は以下の通りです。
CMIS（Content Management Interoperability Services）: コンテンツ管理システム間の相互運用性を実現するための標準仕様。
DITA（Darwin Information Typing Architecture）: ドキュメント作成と管理のためのXMLベースのアーキテクチャ。
DocBook: テクニカルドキュメント作成のためのXMLマークアップ言語。
ebXML：電子商取引のためのXMLベースのフレームワーク。
OpenDocument: オフィス文書フォーマットのためのオープンな標準仕様。
SPML（Service Provisioning Markup Language）: サービスプロビジョニングの自動化のためのマークアップ言語。
UBL（Universal Business Language）: ビジネス文書交換のためのXMLベースの標準。
UDDI（Universal Description, Discovery and Integration）: Webサービスの発見と公開のためのプロトコル。
WebCGM: Web上での2Dグラフィック表現のための標準。
WSDM（Web Services Distributed Management）：分散環境におけるWebサービス管理のための仕様。
WSRF（Web Services Resource Framework）: Webサービスリソースの管理とアクセスに関するフレームワーク。
WS-Security（Web Services Security）: Webサービスセキュリティのための標準。
Key Management Interoperability Protocol: 暗号鍵管理に関する仕様。
以下は、OASISで過去に制定、検討された、あるいは今後検討される見込みのある仕様です。
XRI（Extensible Resource Identifier）: リソースを識別するための拡張可能な識別子。
PKCS11: 暗号トークンとのインタフェースを定義する規格。
RELAX NG: XMLを検証するためのスキーマ言語。OASISで制定後、ISO/IECで規格化されました。
SAML（Security Assertion Markup Language）: セキュリティアサーションの交換のためのXMLベースのフレームワーク。
UIML（User Interface Markup Language）: ユーザーインタフェースの記述に使用されるマークアップ言語。
XDI（XRI Data Interchange）: データの交換のためのプロトコル。
CybOX（Cyber Observable eXpression）: サイバーセキュリティイベントの表現に関する標準。
W3C（World Wide Web Consortium）: OASISと同様に、XMLやWebサービス関連の技術を扱う標準化団体です。W3CはXMLやXSLT、SOAPなどの基礎的な仕様を、OASISはXMLをビジネスに応用した仕様を策定することが多いですが、両者の役割分担は必ずしも明確ではありません。
オープン標準
* OASIS公式サイト (公式ウェブサイトへのリンクは削除しました。)
歴史
OASISは、1993年にSGMLツールのベンダー団体「SGML Open」として設立されました。当初の目的は、SGMLの普及を促進するための研修活動でしたが、実体管理に関する仕様や断片の交換、管理に関する技術的な活動も並行して進められていました。1998年、ハイテク業界におけるXMLへの移行を受け、SGML OpenはXMLを中心とした活動へと転換し、名称もOASIS Openへと変更しました。この名称変更に伴い、XMLおよび今後の構造化情報標準を包括的に扱うこととなりました。活動の焦点も、XMLの普及促進から技術仕様の開発へと移行し、2000年7月には専門委員会が発足しました。専門委員会による仕様策定と作業進行の手法が確立され、発足当初の5つの専門委員会は、2004年までに70近くまで増加しました。
1999年、OASISは国連のビジネス標準委員会UN/CEFACTから、電子ビジネスに関する新しい仕様を共同で開発する提案を受けました。この共同イニシアチブはebXMLと呼ばれ、1999年11月の最初の会合から3年にわたって開催されました。ウィーンでの最終会合では、残務を両組織間で分割し、調整委員会を通じて作業の完了を調整することで合意しました。2004年、OASISは完成したebXML仕様をISO TC154に提出し、ebXMLは「ISO15000」として承認されました。
2007年現在、OASISには世界100カ国から600以上の団体と個人会員を含め、5,000人以上が参加しています。主な参加団体には、BEAシステムズ、Electronic Data Systems、Primeton、IBM、SAP、サン・マイクロシステムズなどが名を連ねています。
仕様の標準化
OASISで検討される仕様の対象分野は多岐にわたります。Webサービスとサービス指向アーキテクチャ（SOA）、電子商取引、ドキュメント処理アプリケーション、XML処理などが含まれます。OASISはこれらの分野で、相互運用性を高めるための標準仕様策定に注力しています。
OASIS標準
OASISによって標準化された主な仕様は以下の通りです。
CMIS（Content Management Interoperability Services）: コンテンツ管理システム間の相互運用性を実現するための標準仕様。
DITA（Darwin Information Typing Architecture）: ドキュメント作成と管理のためのXMLベースのアーキテクチャ。
DocBook: テクニカルドキュメント作成のためのXMLマークアップ言語。
ebXML：電子商取引のためのXMLベースのフレームワーク。
OpenDocument: オフィス文書フォーマットのためのオープンな標準仕様。
SPML（Service Provisioning Markup Language）: サービスプロビジョニングの自動化のためのマークアップ言語。
UBL（Universal Business Language）: ビジネス文書交換のためのXMLベースの標準。
UDDI（Universal Description, Discovery and Integration）: Webサービスの発見と公開のためのプロトコル。
WebCGM: Web上での2Dグラフィック表現のための標準。
WSDM（Web Services Distributed Management）：分散環境におけるWebサービス管理のための仕様。
WSRF（Web Services Resource Framework）: Webサービスリソースの管理とアクセスに関するフレームワーク。
WS-Security（Web Services Security）: Webサービスセキュリティのための標準。
Key Management Interoperability Protocol: 暗号鍵管理に関する仕様。
その他の仕様
以下は、OASISで過去に制定、検討された、あるいは今後検討される見込みのある仕様です。
XRI（Extensible Resource Identifier）: リソースを識別するための拡張可能な識別子。
PKCS11: 暗号トークンとのインタフェースを定義する規格。
RELAX NG: XMLを検証するためのスキーマ言語。OASISで制定後、ISO/IECで規格化されました。
SAML（Security Assertion Markup Language）: セキュリティアサーションの交換のためのXMLベースのフレームワーク。
UIML（User Interface Markup Language）: ユーザーインタフェースの記述に使用されるマークアップ言語。
XDI（XRI Data Interchange）: データの交換のためのプロトコル。
CybOX（Cyber Observable eXpression）: サイバーセキュリティイベントの表現に関する標準。
関連項目
W3C（World Wide Web Consortium）: OASISと同様に、XMLやWebサービス関連の技術を扱う標準化団体です。W3CはXMLやXSLT、SOAPなどの基礎的な仕様を、OASISはXMLをビジネスに応用した仕様を策定することが多いですが、両者の役割分担は必ずしも明確ではありません。
オープン標準
外部リンク
* OASIS公式サイト (公式ウェブサイトへのリンクは削除しました。)
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