OFF ROAD

DOBERMAN INFINITY 3rdオリジナルアルバム『OFF ROAD』

DOBERMAN INFINITYが、グループにとって3枚目となるオリジナルフルアルバム『OFF ROAD』を世に送り出したのは、2018年4月18日のことである。LDH MUSICからリリースされたこの作品は、彼らがアーティストとしてさらに高みを目指す、その当時の挑戦的な姿勢を映し出した意欲作として位置づけられる。

アルバムタイトルの『OFF ROAD』が示唆するように、既成の道にとらわれず、彼ら独自の音楽的な道を力強く切り拓いていく気概が込められているかのようだ。この作品は、彼らの幅広い音楽性と表現力を凝縮した、まさにその名の通り「未開の地へ踏み出す」ようなサウンドジャーニーを提供する。

本作の核をなすのは、全12曲から構成されるバラエティ豊かな楽曲群である。オープニングを飾る表題曲「OFF ROAD」をはじめ、パーティーチューン「DO PARTY」、内省的な雰囲気も漂う「Lookin' for」、力強いメッセージソング「THE NAME」、そしてKAZUKIが作詞・作曲を手がけた「Baby」のようなパーソナルな楽曲まで、DOBERMAN INFINITYの多面的な魅力が余すことなく収録されている。

特に注目すべきは、ヒップホップシーンの重鎮AK-69との共演が実現した「Shatter」、EXILE SHOKICHIと三代目 J SOUL BROTHERSのCRAZYBOYという強力なゲストを迎えた「untitled」、そしてHarumi Kusagawaをフィーチャーした「Butterfly Effect」といったコラボレーション楽曲だ。これらの共演は、それぞれのアーティストの個性がぶつかり合いながらも見事に融合しており、アルバムに新たな彩りと深みを与えている。また、「あの日のキミと今の僕に」や「春風」のような、季節感や感情の機微を丁寧に描き出した楽曲も収録されており、リスナーの様々な感情に寄り添う構成となっている。

楽曲制作には、メンバー自身が作詞・作曲の中心を担うのはもちろんのこと、NAOtheLAIZA、Chaki Zulu、Jeff Miyaharaといった日本を代表するプロデューサーや、Tyler Shamy、Andy Loveといった海外のクリエイターなど、多様な才能が結集している。これにより、サウンドプロダクションは非常に幅広く、かつ洗練されたものに仕上がっている。

また、『OFF ROAD』は単なるCDアルバムに留まらず、充実した特典映像を収めたDVDが同梱されている点も特筆に値する。DVDのメインコンテンツは「OFF ROAD THE MOVIE」と題されたドキュメンタリー映像だ。これは、アルバム制作の過程や、メンバーがこの作品に込めた想い、そして彼らの普段の活動に密着した貴重な記録であり、DOBERMAN INFINITYというグループ、そしてメンバー一人ひとりの人間性に深く迫ることができる内容となっている。

さらに、DVDにはアルバム収録曲の中から厳選されたミュージックビデオも複数収録されている。表題曲「OFF ROAD」をはじめ、「DO PARTY」、「あの日のキミと今の僕に」、「#PLAY」、そしてコラボ曲「Shatter」といった楽曲の映像化は、それぞれの楽曲が持つ世界観を視覚的に表現しており、音楽をより多角的に楽しむための手助けとなる。迫力あるパフォーマンスやドラマチックな演出は、楽曲単体とは異なる感動をもたらすだろう。

『OFF ROAD』は、DOBERMAN INFINITYがそのキャリアにおいて新たな一歩を踏み出したことを示す重要な作品である。ヒップホップ、R&B、そしてポップスといった様々なジャンルを自在に行き来しながら、彼らならではのエンターテイメント性を追求したこのアルバムは、当時の彼らの音楽的な到達点を示すとともに、今後のさらなる飛躍を予感させる一枚と言えるだろう。リスナーは、このアルバムを通じて、彼らの音楽性の広がり、そして彼らが切り拓く「OFF ROAD」の先にある景色を垣間見ることができるはずだ。

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