ORIGIN (漫画)

「ORIGIN」- Boichiの壮大なSF漫画

概要

『ORIGIN』は、日本の漫画家Boichiによって描かれた作品で、2016年から2019年まで『週刊ヤングマガジン』に連載されていました。全10巻にまとめられ、2019年には文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で大賞を受賞しました。これにより、作品のテーマである「守っていく人の物語」が評価され、作者自身が心を込めて描いたものだと語っています。

あらすじ

物語は西暦2048年の日本を舞台に展開します。主人公のアンドロイド、ORIGINは「田中仁」と名乗り、人間社会で生きる使命を抱えています。彼は同じくアンドロイドとして造られた８体の兄弟ロボットとの戦いを繰り広げながら、その存在意義や人間の感情についての葛藤を深めていきます。

登場人物

ORIGIN

ORIGINは、人間社会に隠れ住むロボットです。彼の行動原理は、自分を創り出した科学者である「父」の言葉、つまり「ちゃんと生きていけ」に基づいています。彼は世界的な企業であるAEEに勤務し、ロボット研究所「頭チーム」に所属しています。

田中仁

田中仁はORIGINの人間名であり、彼にとってのアイデンティティとも言える存在です。彼はAEEで広瀬マイと共にロボット研究に携わる中で、多くの人々と関わりを持ちます。

広瀬マイ

本作のヒロインである広瀬マイは、田中仁と同期入社し、同じくロボット研究所に配属されます。彼女は田中仁が実はロボットであることを知らずに恋心を抱きますが、その真実が明らかになった後も彼を愛し続ける姿が描かれています。

８体の兄弟ロボット

ORIGINには８体の兄弟が存在し、それぞれがユニークな個性を持っています。各兄弟は八卦の名前を持ち、その戦闘能力や役割は異なります。

• - 乾（ケン）: ORIGINのリーダーであり、首だけのロボット。
• - 兌（ダ）: 表向きは風俗嬢という姿で、戦闘後はORIGINのサポートロボットに。
• - 離（リ）: 武術に長けているが、ORIGINに破壊される。
• - 震（シン）: 人間の男子高校生の姿を持つ。
• - 巽（ソン）: 女性型ロボット、通称「アリア」。
• - 坎（カン）: 自分を造った科学者の姿をしており、特異な能力を持つ。
• - 艮（ゴン）: 自身を改造して別の姿になった兄弟。
• - 坤（コン）: 普通の青年の姿をしており、最初にORIGINと対戦した。

評価

『ORIGIN』は、そのストーキングなストーリーテリングとキャラクター設定から、多くの読者の心を掴みました。第22回文化庁メディア芸術祭の審査員であったみなもと太郎が評価するように、児童の頃に親しんだ『鉄腕アトム』を継承する作品とされ高い評価を受けています。

書誌情報

この作品は、Boichiの手によって講談社から出版され、全10巻のシリーズが展開されています。各巻は次のようにリリースされました:
1. 2017年1月6日
2. 2017年4月6日
3. 2017年8月4日
4. 2017年11月6日
5. 2018年3月6日
6. 2018年5月7日
7. 2018年8月6日
8. 2018年11月6日
9. 2019年2月6日
10. 2019年6月6日

実写化

2023年12月7日には、ジョシュ・ブーンとダニー・チャン、Majestic LTDによるハリウッド実写映画化が発表され、多くのファンが実写版の公開を楽しみにしています。

まとめ

『ORIGIN』はSFと人間ドラマが絡む深い物語で、多くの読者に影響を与え続けています。アンドロイドの存在意義や人間の感情について考えさせられる作品として、今後の展開にも期待が寄せられています。

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